世帯年収1,200万円の40代夫婦、埼玉に念願の「庭付き戸建て」を購入→“理想の生活”を満喫していたが…1年後に家族の幸せを奪った、税務署からの〈1通の封書〉【税理士の助言】

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(※写真はイメージです/PIXTA)

確定申告と聞くと、個人事業主や副業をしている一部の会社員以外には関係ないと考える人もいるかもしれません。しかし、いわゆる“普通の個人”であっても確定申告が必要なケースがあります。それはいったいどのようなときか、具体的な事例をとおしてみていきましょう。多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士が具体的な事例を紹介します。

税務署が「お尋ね」で知りたいこと

税務署がこの「お尋ね」で知りたいのは、

 

①過去の所得に比べ、自己資金が多すぎるのではないか

②親子など親族間の借入が本当は贈与ではないか

③夫婦共有名義である場合、資金の拠出具合に比べ登記は適正に行われているのか

④贈与税の申告が必要ではないか

 

などです。対象者は任意で選ぶため、住宅を購入した全員に届くわけではありませんが確率は高くなります。

 

届いた場合、必ずしも回答しなくてはいけないという決まりはなく、法的拘束力はありません。しかし、回答せずにいると「なにか後ろめたいことがあるのではないか?」と思われ、税務調査に発展する可能性が高まるため注意が必要です。

贈与税を回避するためにできること

今回のように、夫婦共有名義で不動産を購入した場合、それぞれ拠出した資金と同じ割合の登記にすれば問題ないのですが、今回のように収入が少ない妻名義が多い場合、贈与が疑われてしまうことになります。

 

もちろん、過去に預金を親の相続で受けていた分であるなど、正当な理由があればよいのですが、専業主婦や収入が少ない場合などは、税務署としては「配偶者からの贈与でないか?」と疑う理由になるのです。

 

では、今回のように住宅を購入した場合、贈与税と認定されないためには、どのような方法があるのでしょうか?

 

たとえば、夫婦の婚姻期間が20年以上で一定の要件に該当した場合、夫婦で居住用不動産又はその取得資金の贈与が行なわれた場合、基礎控除110万円のほか最高2,000万円まで贈与税がかからない通称“おしどり贈与”というのもがあります。

 

また住宅を購入する場合、親から援助を受けるケースもありますが、これが一定の要件に該当する場合、次の金額までは贈与税はかからないこととなります。

 

①省エネ・耐震性・バリアフリーの住宅……1,000万円

②上記外の住宅……500万円

 

いずれも申告は必要ですが、住宅の購入を検討する際は控除の要件に該当するかどうか調べてみてはいかがでしょうか?

 

日本でもっとも高い税率は贈与税…慎重な対策を

住宅のような高額の資産を購入する場合、その資金はどこから出ているのだろうか? 所得の申告漏れか贈与税の申告の必要があるのではないだろうか? という観点で税務署は確認することとなります。

 

日本の税率で最も高いのが贈与税です。加えて住宅にかかる税金は複雑で、失敗すると余計な税金を支払わなければなりません。不動産を購入する場合は慎重に、場合によっては専門家への相談も検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

宮路 幸人

多賀谷会計事務所

税理士/CFP

 

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