ハード、ソフト両面のメリットがあるマンションだが…
ここまで、効率化を優先するがゆえに新建材を用いてきた結果、室内環境が快適さを失ってきた過程や、徹底した舗装に代表される手間の軽減・効率化、都市化によって気候すら変え、その結果快適さを失ってきた背景を見てきました。
実は人々のコミュニティも同じ構図ではないかと思っています。確かにマンションは、鍵1つで安全安心が得られるというハード面、他人のみならず嫁姑など親戚であっても煩わしい人間関係から逃れられるというソフト面のメリットを得られます。
コミュニティ志向はドライな方向性からの揺り戻し!?
その一方でイエ制度から核家族化してきた流れは、都市化や効率化と同じように、非常にドライな方向に進んできました。
昨今、SNS等の共通の関心や目的などで集まったアソシエーション的なつながりだけでなく、シェアハウスやグループリビングなど、地域地縁をも共有するコミュニティへの志向が高まっています。
これはそうしたドライな方向性からの揺り戻しとも考えられるのではないでしょうか。核家族からDINKS、単身世帯へと1世帯当たりの人数が減った結果、家が他者との関係性の上に成り立つ居場所でなくなってしまい、同じ喜びを分かち合う居場所を探し始めているように感じます。
人々は毎日顔を合せる温かい関係を求め始めていると思います。