前回は、結露が発生しない快適な室内作りについて説明しました。今回は、ナイチンゲールも説いた「換気」の重要性について見ていきます。

病気が伝染するのは「空気がよどんでいる」せい!?

換気といえば、1860年に記された「看護覚え書」において、フロレンス・ナイチンゲールは換気の必要性を説いています。

 

「伝染病が伝染するのは病原菌のせいではなく、空気がよどんでいるせい。窓を開けなさい」と病院内を衛生的に保つことを何度も何度も書いています。

一部の窓が開けられない高層マンションもあるが・・・

同書の中で「薬を与えることは何かをしたことであり、(中略)新鮮な空気や暖かさや清潔さを与えることは何もしていないことである、という確信がなんと根強くいきわたっていることか」、窓を開けることも大切な看護であり、「具合が悪いのは病気のせいではなく看護が良くないせいだ」と手厳しく記しています。

 

毛布を日に当てること、部屋の掃除をすること、掃除の際には窓を開けること。その一つひとつは当たり前のことに思えますが、最近の高層マンションの中には窓も開けられない部屋もあるようです。

 

やはり未だに必要な喧伝なのかもしれません。

本連載は、2014年3月20日刊行の書籍『なぜ新築マンションには自然素材が使われないのか』から抜粋したものです。その後の法制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

なぜ新築マンションには自然素材が使われないのか

なぜ新築マンションには自然素材が使われないのか

鈴木 雄二

幻冬舎メディアコンサルティング

注文住宅や、中古住宅のフルリフォームでは、当たり前に使われる、無垢フローリングや、珪藻土塗りの壁などの自然素材。 しかし、新築マンションだけが調湿効果の少ない合板フローリングやビニールクロスなどの新建材で作ら…

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