(※写真はイメージです/PIXTA)

「パワーカップル」をGoogleで検索すると、サジェストに登場するのは「パワーカップル ずるい」「パワーカップル 公務員」といった言葉の数々。はたして実情は?

「パワーカップル」何とも羨ましい響きだが…

「パワーカップル」。明確な定義はありませんが、夫婦ともに年収700~1,000万円以上の世帯を指すことの多い言葉です。

 

日本の所得平均について、厚生労働省『国民生活基礎調査』(2023年)より見ていくと、1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が524万2,000円。「高齢者世帯」が304万9,000円、「高齢者世帯以外の世帯」が651万1,000万円、「児童のいる世帯」が812万6,000万円となっています。

 

所得金額階級別に世帯数の相対度数分布をみると、「100~200万円未満」が14.6%、「200~300万円未満」が14.5%、「300~400万円未満」が12.9%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は405万円。パワーカップルという呼称の所以をうかがい知ることができます。

 

夫婦ともに年収700~1,000万円以上の収入があれば裕福な生活が送れるだろうと思われがちですが、現実はそう単純ではありません。特に税金と物価上昇が、家計に大きな影響を与えています。

 

東京都内に住むAさん夫婦は、共に年収800万円で世帯年収は1600万円です。しかし、毎月の支出はかなりの額に上ります。住宅ローンの返済に月々20万円、子供二人の私立学校の学費に月々30万円、その他の生活費や税金を合わせると、ほとんど貯蓄に回す余裕がありません。また、将来の教育費や老後の資金も考えると、不安が尽きないと語ります。

 

都市部での生活費の上昇は、Aさん夫妻に限らず多くの家庭で大きな負担となっています。住宅費や教育費が高騰しており、ファミリー向けのマンション購入や私立学校の学費は年々増加しているのです。国立大すら、学費の値上げが大きな議論を呼んでいます。

 

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