絶対に許せない。悔しくて怒りが収まらないのに…不倫の慰謝料を「請求できない」2つのケース【離婚専門弁護士が解説】

絶対に許せない。悔しくて怒りが収まらないのに…不倫の慰謝料を「請求できない」2つのケース【離婚専門弁護士が解説】

浮気・不倫をされたのに慰謝料が請求できないケースがあることを知っていますか。受けた精神的苦痛の分、慰謝料をもらえるように冷静な準備が必要です。本記事では、慰謝料を請求できる条件と、そのための準備についてAuthense法律事務所の離婚問題に精通する白谷英恵弁護士が解説します。

慰謝料の請求手続きは複雑で難しい

いざ慰謝料の請求をしてみようと思ったとき、いろいろと調べてみてお手上げ状態になる人は多いです。それだけ、慰謝料請求の手続きというのは「複雑」なのです。それでも自分で慰謝料請求をしたいという場合には、大きな流れをつかんで手順を把握していきましょう。

 

慰謝料請求の手続きは3つの手順で進んでいく

1.書面・口頭での慰謝料請求

2.裁判での慰謝料請求

3.慰謝料請求が確定(浮気相手から実際に支払ってもらう)

 

簡単に説明すると、この3つの行程で慰謝料請求が進んでいきます。

 

書面や口頭で慰謝料を請求する場合の決まった手順などはない

書面や口頭で、当事者だけでやり取りをするのであれば、決まった手順などはありません。弁護士などがその場にいなくても問題はないのです。書面なのか口頭なのかは、メリットとデメリットを見て自分に合った方を選びましょう。

 

書面で慰謝料請求するメリット・デメリット

書面で慰謝料請求するメリット・デメリットは次のとおりです。

 

〈メリット〉

・自分と相手の主張が「明確」になり、「記録」にも残る

・回答するまでに期間があるので作戦や計画を考えることができる

・内容証明であれば相手に本気で請求するという意思を示すことができる

 

〈デメリット〉

・やり取りをするだけで、かなりの時間がかかってしまう

・回答するまでに期間があるので、相手も計画や作戦を考えることができる

 

口頭で慰謝料を請求する場合のメリット・デメリット

口頭で慰謝料を請求する場合のメリット・デメリットは次のとおりです。

 

〈メリット〉

・自分と相手がその場で意見を言い合える、解決が早くなる

・相手に対して計画を練る時間を与えない

・情が出てくるので早期解決に結びつく

 

〈デメリット〉

・「記録」に残らないので、後々になり水掛け論になる

・口下手な場合は、かなり不利な状況に陥ってしまう

 

書面や口頭での慰謝料請求が決裂したら「裁判」に進む

書面や口頭で慰謝料請求しても通らない場合には、裁判を行って解決するしかありません。訴える方が裁判所に対して「訴状」を出して訴訟を起こし、相手から反論があり、自分も反論をして裁判が進みます。

 

基本的に浮気や不倫の慰謝料請求をする裁判では、決着まで短くても4~6ヵ月程度は時間がかかると思っておきましょう。ただ、その間に裁判所から「和解勧告」を打診されることが多いです。裁判所が提示してきた慰謝料の金額や内容などに、お互いが納得できたら「和解」になります。もし納得ができないのであれば、裁判所の「判決」を待って決着となります。

 

なお、書面や口頭で慰謝料請求ができなかった場合、裁判所で行う話し合いの手続き(これを「調停」といいます)をして解決をするという方法もありますが、「調停」はあくまでも、裁判所の場で、浮気相手とお話合いでの解決を目指す手続きです。書面や口頭での請求で上手くいかなかった場合には、調停での話合いも結局は上手くいかないことが多いため、あまり利用されない手続きです。

「絶対に許せない」悔しさ・怒りが収まらなくても…

浮気・不倫相手に対して慰謝料を請求するには、条件を満たす必要があります。悔しい気持ち、怒りの気持ちなどが入り交じり、冷静に対応ができなくなる可能性もあります。しかし、こういうときこそ冷静になって、自分がやるべきことを確認しなければなりません。

 

まずは、慰謝料請求のためになにをすればいいのか、しっかりと考えてみましょう。そして、精神的苦痛に対する慰謝料を受け取れるように、請求の前にしっかりと準備をしましょう。

 

 

白石 英恵

Authense法律事務所

 

 

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