(※写真はイメージです/PIXTA)

2024年3月、日銀の異次元緩和が終了し17年ぶりに利上げが実施されました。そうなると気になるのが住宅ローン金利への影響。なかでも多くの人が利用する「変動金利」への影響です。すでに変動金利で住宅ローンを組んでいる人からは、「低金利の今のうちに、固定金利に借り換えたほうがいいのだろうか」という悩みも聞かれますが、実際にはどうなのでしょうか? そこで今回は、不動産コンサルティング会社〈さくら事務所〉の創業者である長嶋修氏と〈さくら事務所〉の共著『マンションバブル41の落とし穴』(小学館)から一部抜粋して、利上げに関連した変動金利・固定金利の選択について解説します。

「利上げ=不動産価格の下落圧力」だが超高額物件には影響なし

 

もっとも、金利が上がりすぎてしまうと、金利負担分だけで住宅ローン返済額に達してしまう可能性もゼロではありません。そうなると、住宅ローンを返済していても金利だけを支払っていることになるので、元本が一向に減らず、永遠にローン残高が減らない事態になってしまいます。

 

あまり考えにくいことではありますが、仮に金利が大きく動く局面になったら、住宅ローンの見直しは急務になるでしょう。

 

また、最近は一部ネット銀行で、変動金利に5年ルールや125%ルールのない住宅ローンを販売するようになりました。5年ルールを設けない代わりに、他行より適用金利を低く設定している点は魅力的ですが、選ぶ際には注意が必要です。

 

金利が上がると、不動産価格にも影響が及びます。住宅ローンを組んで物件を買う実需層や、不動産投資ローンを組んで買う国内の不動産投資家は、金利負担が増えると、思い通りに資金を調達しづらくなります。

 

すると、多くの買い手の購買力が低下し、価格が高いままでは売れなくなるため、不動産価格は下がっていくのが市場原理です。つまり、「利上げ=不動産価格の下落圧力」と言えます。

 

とはいえ、それで好立地マンションのバブル化に歯止めがかかることはないでしょう。そもそも数十億円以上もするような超高額物件を買っている層は、手元のキャッシュが潤沢でローンを組まずに買うので、ローン金利の影響を受けません。そのため、超高額物件の価格帯は高いまま維持されます。

 

また、好立地は大手デベロッパーに買い占められ、「都心」「駅前・駅近」「大規模」「タワー」の条件を満たす物件は、人気が高騰しています。ニーズがあるのに希少性は高いため、利上げ幅が小幅なうちは、下落圧力になりづらいと見られます。

 

ちなみに「利上げ後に不動産価格が下がるなら、そのときに買おう」という戦略も、なかなか厳しいでしょう。たとえ不動産価格が下がっても、買い手が住宅ローンを組むのであれば、低金利時代よりも金利負担は増えます。一方で、物件購入に充てられる借入額は減るため、目論見通りに割安になった物件を買えるとは限らないからです。

 

 

長嶋 修

さくら事務所 会長

 

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マンションバブル41の落とし穴

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長嶋 修・さくら事務所

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