(※写真はイメージです/PIXTA)

高所得で無借金、申請したローンの金額はまったく無理のない範囲、さらに支払い滞納もない……にもかかわらず、住宅ローンを申し込んだ結果「謝絶」となってしまうケースが存在します。いったいなぜなのでしょうか。年収1,000万円のサラリーマンAさん(41歳)の事例からその理由をみていきましょう。牧野FP事務所の牧野CFPが解説します。

住居費用は現在「月9万円」だが…持ち家が欲しいAさん

Aさんは現在、妻と小学生の子ども2人との4人家族です。会社からの住宅補助を受けながら、都内の賃貸マンションに、毎月9万円の家賃負担で生活しています。

 

なお、今回謝絶された4,000万円のローンでは、「固定金利」を利用する予定でした。固定金利は、変動金利よりも高金利ですが、全期間の返済金利が決まっていて今後の家計収支が見通せるという利点があります。

 

25年全期間固定金利、年利1.8%のローンで、返済額は毎月16万5,674円の計画でした。

 

ローンを組むと現在の家賃(9万円)より月に約7万5,000円支出が増えることになりますが、筆者が改めて試算した結果、Aさんは十分返済可能な状況にあります。

 

マイホームの夢を諦めないために、Aさんができること

Aさんは今後もチャンスがあれば、今回断念したような、資産価値のあるお値打ち住宅を探して、購入しようと考えている様子。

 

しかし、今後、住宅販売価格と金利はともに上昇が見込まれることから、その対策として差額の7万5,674円は、毎月貯蓄をするように勧めました。

 

また、A夫婦の65歳からの老齢厚生年金の受給見込額は、月額23万円~26万円と、現在の生活費の約半分となります。老後の生活資金を貯めておくためにも、現在専業主婦の奥様については、子育て終了後に職場復帰するよう助言しました。

 

今回、住宅ローンを謝絶されたAさんですが、自身に心当たりがあり、FPに相談したことで、立ち止まることができました。

 

「原因を突き止めることなく、他の銀行に『数打ちゃ当たる』とローンを申し込んでいたら、泥沼にハマるところでした。いやあ、あぶなかった」と、Aさんは苦笑いしたのでした。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。
<参照>
※1 独立行政法人国民生活センター「クーリング・オフってなに?」
(https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html)

※2、※3 厚生労働省「仕事と介護の両立支援制度」
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/index.html)

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