(※写真はイメージです/PIXTA)

高所得で無借金、申請したローンの金額はまったく無理のない範囲、さらに支払い滞納もない……にもかかわらず、住宅ローンを申し込んだ結果「謝絶」となってしまうケースが存在します。いったいなぜなのでしょうか。年収1,000万円のサラリーマンAさん(41歳)の事例からその理由をみていきましょう。牧野FP事務所の牧野CFPが解説します。

滞納はしていないが…Aさんの脳裏によぎった“ある出来事”

その後、Aさんは原因を突き止めるために、改めて毎月の支払いの延滞や他の借入等を確認しましたが、問題はなかったそうです。

 

「強いていえば少し前、ポイ活に目覚めたときに、たくさんポイントが貯まるからって短期間でいろんなクレジットカードを申し込んだことがありました。最後はいくつか断られて入会できなかったんですが……。もしかして、それが原因ですかね?」
※ ポイ活……買い物やアンケートへの回答、ゲームなどの行為でポイントを貯め、貯まったポイントを活用すること。ポイントはクレジットカード決済やキャッシュレス決済で貯まるほか、新規でクレジットカード会員になることでも大きく貯めることができる。

 

Aさんが住宅ローンを断られてしまった理由はまさに、この「クレジットカードの申し込み」にあったのです。

住宅ローンが借りられない原因は“申し込みブラック”

Aさんのいうとおり、たとえポイ活のためであろうと、クレジットカードを申し込むと、その会社は申込者の信用情報や属性を、信用情報機関に照会するという仕組みになっています。

 

短期間に何社も申し込めば、その履歴も都度残るため、いわゆる“申し込みブラック”の状態となります。

 

この状態になると、「この人は、多額な借り入れが必要な状態か、あるいは返済能力に問題がある」と認識され、クレジットカードの申し込みを断られることがあるのです。

 

住宅ローンの審査においても、信用情報機関の情報は共有されていることから、Aさんはローンの事前審査に通らなかったのでしょう。

 

信用情報機関には、「CIC(株式会社シー・アイ・シー)」と「JICC(株式会社日本信用情報機構)」、「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」の3つがありますが、3つの信用情報機関すべてにおいて、クレジットカードの申込み情報は6ヵ月保存されます。この際、審査に落ちた記録も原則6ヵ月間は消えません。

 

また、各クレジットカードの利用状況や契約終了日は、5年間信用情報機関に残るといわれています。

 

Aさんが後日、自分の信用情報を確認したところ、やはり“申し込みブラック”になっていたそうです。もちろん、ポイ活のために作ったクレジットカードは、すぐに解約しました。

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。
<参照>
※1 独立行政法人国民生活センター「クーリング・オフってなに?」
(https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html)

※2、※3 厚生労働省「仕事と介護の両立支援制度」
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/index.html)

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