(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査というと、「やっかい」「面倒」「弱いものイジメ(政治家に対して甘すぎる)」といったネガティブなイメージを抱いている人も少なくありません。しかし、なかには税務調査で追徴税を課されたにもかかわらず、税務署に感謝する人も……。いったいなぜなのか、事例をもとに詳しくみていきましょう。多賀谷会計事務所の税理士でCFPの宮路幸人氏が解説します。

「信じていたのに」は無責任…不正を生まないためにできること

従業員や経理による横領は、なぜ起きてしまうのでしょうか? 考えられる主な原因は以下の2つです。

 

1.横領が“しやすい”環境になっている

不正行為が起こる最大の理由は、気づかぬうちに横領がしやすい環境をつくっていることが挙げられます。

 

たとえば飲食店などの現金商売において、売上げの入金を特定の従業員に任せてしまうと横領がしやすくなります。現金のチェックは1人に任せず、ダブルチェック体制をつくり複数人が確認するようにしましょう。

 

2.横領が“発覚しにくい”環境になっている

中小企業では、「信頼しているから」と営業や仕入担当を1人に任せきりにしているケースも少なくありません。

 

しかし、チェックする第三者がいなければ、今回の事例のように得意先や仕入先と癒着して不正行為が行われることが考えられます。経理担当者を信用して通帳や印鑑などの管理を1人に任せるのもキケンです。

 

社長からの信頼が厚い人ほど実は長年横領や不正行為を行っていたということも多いため、属人化は極力避け、社長も不正行為を防ぐために定期的にチェックする必要があるでしょう。

 

450万円の追徴課税も…最終的に調査官に「感謝」したAさん

今回、税務調査で従業員の横領が発覚し450万円の追徴税額を納めたAさん。

 

信頼している従業員の横領にショックを受けましたが、調査が終わりしばらく経ったころ、ぼそっと従業員にこう話しました。

 

「考えてみると、あのまま税務調査がなくYを信頼しきっていたら、被害額はもっと多くなったはず。会社はより大きなダメージを受けたかもしれないと考えると、今回指摘してくれてよかった」

 

Aさんは最終的に、税務調査官に感謝したのでした。

 

経営者であれば、普段一生懸命働いてくれている従業員を疑いたくはないかもしれません。そのためにも、不正を起こさないような「仕組みづくり」が重要です。

 

 

宮路 幸人

多賀谷会計事務所

税理士/CFP

 

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