前回は、成長するフィリピンの労働市場について説明しました。今回は、テナントとして「フィリピンに住む外国人」を狙う理由を見ていきます。

母数そのものが増えている「エリート層」の人口

日本人が購入する投資用のコンドミニアムについては、ローカル向けではなく、外国人向けが主流です。かつては、日本人駐在員向けのコンドミニアムを購入するという認識がありました。しかし、現状で日本人投資家が購入するコンドミニアムは1000万円程度の物件です。このクラスのコンドミニアムの入居者層は、日本人駐在員ではなくて、現地採用の外国人です。

 

 

現在、金融機関が増えて、各国の末端のコールセンターがフィリピンに置かれています。そのコールセンターの運営や管理業務などフィリピン人で補えない部分を、現地採用されたコールセンターの国の人間が担っています。

 

また、日本人の所有している物件には、フィリピン人のエリートも住みます。エリート層の人口が増えている事実は、人口統計が正確に物語っています。

 

階層構造におけるエリートの人口比率は旧来と変わりませんが、母数そのものが増えているために、このエリート層の人口も確実に増えているのです。

 

人口が増えるにつれ、それだけ国民全体が貧しくなっていくのかと思いがちですが、今のフィリピンでは逆にどんどん所得が上がっています。

 

そもそも何もなかったところに産業が興り始めているのですから、賃貸需要が見込めるのは必定です。

 

家賃の価格帯で言えば、2万~5万ペソの物件が単身者向けです。逆に言えば、単身者が給料から家賃を支払える価格帯が2万~5万ペソということです。

フィリピンに住む「外国人」の住居の探し方

高い金額になると、会社が家賃を負担してくれる駐在員が対象になります。グローバルシティなどの高級コンドミニアムでは、ヨーロッパ人の駐在員も増えています。

 

日本で言うところの派遣社員や契約社員のような立場なのでしょうが、ノルウェーやデンマークなどのヨーロッパの国々は物価が高いので、フィリピン相場では高い家賃でも、家賃は全額会社負担であることが多いのです。

 

では、ローカルよりは高い給金を得ているものの、駐在員のように家賃補助がない彼らは、どのように家探しをするのでしょうか。

 

一番多いケースとしては、クチコミやフェイスブックといったSNSからのアプローチです。この方法を使う日本人は少ないですが、外国人には自分で部屋を探す力があります。

 

フィリピン人や、フィリピンに住む外国人に関しては、不動産業者を通さないで部屋を借りることも一般的です。物件そのもののロビーや管理事務所に直接来て、空室状況や家賃を尋ねる人も多いのです。

 

 

実は渡辺も、その方法で賃貸物件を探しました。渡辺は日本人ですが、渡比したばかりのタイミングでは、不動産会社を通さずに部屋を借りました。また今も自分のお客様に提案している物件も、そのように探すことがあります。

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

鈴木 廣政・渡辺 頼子

幻冬舎メディアコンサルティング

止まらない人口減少、オリンピック相場の反落、不動産市場の縮小――国内不動産暴落のXデーは、刻一刻と近付いています。 これを裏付けるように、事実、家賃下落や空室率上昇などの問題は年々深刻化しているのです。 そん…

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