(※写真はイメージです/PIXTA)

いつの時代もなくならない相続トラブル。「もっとはやく対策を始めていれば…」という声は尽きません。事例とともに、相続とどう向き合うべきなのか見ていきましょう。

結局「ゴネたもん勝ち」という残酷な現実

介護施設の中でも、とくに安く入所できるといわれる特別養護老人ホーム(特養)の場合、利用料金は入所者本人の要介護度と所得によって決まります。 親が一般的な会社員で定年まで勤め上げ、平均的な額の厚生年金を受給している場合で、要介護3になり特別養護老人ホームへ入所したとすると、ユニット型個室利用で月額18万円程度の費用がかかります。厚生年金の平均受給額は14万円程度であるため、年金以外に年間約50万円程度の負担が必要です。” 『人生を破滅に導く「介護破産」』

 

ちなみに、相続のシーンでは「寄与分」という考え方があることをご存じでしょうか。民法で定められている制度であり、相続人のうち「特別の寄与」をした人がいる場合は、その貢献度を遺産分割に反映させてよい、というものです。

 

以前までは相続人のみに与えられていた権利でしたが、相続法の改正により、2019年7月1日から相続人以外の親族で被相続人に対して特別な寄与をした者(長男の嫁など)は、相続人に対して「特別寄与料」を請求できるようになりました。ただし、特別寄与者と相続人との協議により決定するため、話がまとまらないケースが相次いでいます。

 

残酷な現実ですが、介護のプロのなかには「結局、ゴネたもん勝ち」と断言する人も少なくありません。こじれにこじれ、はては大問題に…となるのを避けたい心優しい家族が折れるケースが相次いでいるのです。

 

先ほどの事例も同種といえましょう。「払わない」と決め、三女がびた一文も出さない以上、ほかのきょうだいで賄いあうほかありません。「確執が残ったって気にしない、だって払いたくないもん」がある意味、無敵なのです。

 

遅かれ早かれ起こる「相続」。自分のお金をめぐって家族がバラバラになってしまう結末は避けたいものです。いつ何があっても問題ないように、事前の情報収集が求められます。

 

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