「挨拶って意味あるんですか?」論争、ついに終止符!? 元渋谷109店員の週刊誌記者が痛感した〈挨拶〉の魔力

「挨拶って意味あるんですか?」論争、ついに終止符!? 元渋谷109店員の週刊誌記者が痛感した〈挨拶〉の魔力
(※写真はイメージです/PIXTA)

たかが挨拶、されど挨拶……。「挨拶って意味あるの?」という“挨拶論争”がたびたび話題になりますが、渋谷109のカリスマ店員から週刊誌記者に転身した山田千穂さんは「たったひと言の挨拶には人を引き寄せる力がある」と断言します。そこで本稿では、山田氏の著書『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』(朝日新聞出版)より一部抜粋し、初対面でも一目置かれる「挨拶の仕方」について解説します。

会って3秒で「いいな」と思わせる

挨拶は自分から明るい声でハキハキと!

第一印象は3秒で決まるといわれていますが、あなたは何を一番意識しているでしょうか? 

 

身だしなみを整えるのは社会人として当たり前のことですから、それ以外で「この人、いいな」と一瞬で思わせる勝負どころは挨拶の仕方です。挨拶は誰でもできますが、誰もが「いいな」と思える挨拶ができる人はめったにいません。それだけに、挨拶の印象が良いだけで信頼度がぐっと高まるのです。

 

「挨拶だけで人を動かすこともできるんだ!」と私が初めて実感したのは小学5年生のとき。当時は、登校すると必ず校舎3階の窓から、正門に入ってくるみんなに「おはよう!」と大きな声で挨拶して手を振っていました。

 

すると、不登校気味だった低学年のかなちゃんという女の子が、私の挨拶を聞いて「すごく元気をもらえる」と毎日学校に来るようになったのです。そのあと、お母さまがかなちゃんと一緒に私の自宅までお礼を言いに来てくれて、すごく嬉しかった思い出があります。

 

109時代は昇りエスカレーター前にあるお店で働いていたので、下の階から上がってくるお客さまを店内に誘導しようとして、挨拶の威力を実感することになりました。特にセール期間中はすごい人混みですから、「こっちを見て!うちのお店に入って!」と一人ひとりに暗示をかけるように高めの声で、「いらっしゃいませ〜!どうぞご覧くださいませ〜!」と呼びかけていたのです。

 

そうすると、エスカレーターから上がってきたお客さまがほぼ全員、そのまま店内に流れてきたことが何度もありました。もちろん、挨拶だけが理由ではないと思いますが、明るくハキハキとした声で微笑みかけて挨拶したお客さまは、かなり高い確率で近づいてきてくれます。それほど、たったひと言の挨拶には人を引き寄せる力があるのです。

 

一方、記者業で痛感したのは、挨拶にこそ人格が表れるということです。以前、大谷翔平選手が所有される国内のマンションを清掃されている業者の方に話を聞く機会があったのですが、大谷選手のお母さまはその清掃業者のスタッフに会うと必ず挨拶して、最後に「ご苦労さまです」と言うそうです。

 

他のマンションの住人は無視することが多いそうで、大谷選手のお母さまの挨拶だけが自分たちのモチベーションになって「今日もきれいに掃除しようと思える」と話されていました。

 

「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございます」「いただきます」「お疲れさまです」「ご苦労さまです」「いらっしゃいませ」といった基本的な挨拶をしないのは、「あなたのことはどうでもいい」と言っているようなものです。挨拶は人としての知性、品性を底上げするだけでなく、信頼感を得る最初の一歩ですから、自分から明るい声でハキハキと挨拶することを心がけたいですね。

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※本連載は、山田千穂氏の著書『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ

ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ

山田 千穂

朝日新聞出版

渋谷109のカリスマ店員から有名週刊誌記者に転身した著者が、相手がつい心をゆるしてしまう、つい本音をもらしすぎてしまう「聞き方」のコツを大公開! いずれの業界でも、すさまじい競争と駆け引きの現場で試行錯誤と失敗を…

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