「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
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「不動産M&A」とは?
「不動産M&A」とは、広義において不動産を所有する会社を対象にしたM&Aのことをいいます。本稿では、範囲を絞って、不動産のみを所有する資産管理会社(不動産賃貸業)のM&Aについて解説していきます。
一般的なM&Aの目的は、「会社または事業全体の譲渡」としていますが、不動産M&Aは「不動産の譲渡」を目的としています。また、不動産M&Aは一般的な不動産売買とは異なり、「不動産を所有している会社の株式」を譲渡の対象としています。つまり、不動産M&Aは、株式譲渡の形で所有する会社ごと不動産を譲渡するのです。
いま、この「不動産M&A」が、不動産売買においてさまざまな問題を解決するひとつの方法として注目されています。不動産のみを所有する会社が不動産を譲渡する場合、会社清算によって不動産を売却する方法と、株式譲渡によって売却する不動産M&Aの2種類があります。
では、実際に売却をする場合、どちらを選べばよいのでしょうか。ここからは、不動産売買と不動産M&Aに関わるスキームと税金の仕組みについて解説していきます。
「不動産売買」と「不動産M&A」のスキームの違い
まずは、不動産売買と不動産M&Aのスキームの違いについて解説していきます。
不動産のみを所有する会社が「不動産売買」によって不動産を売却する場合、不動産を売却することで会社の資産を現金化し、債務などを弁済したあと、株主に配当金を分配します。これを「会社清算」といいます。一方、「不動産M&A」は、会社が所有するすべての株式を譲渡することで不動産を含む法人ごと移転します。このスキームの違いにより、「不動産売買」と「不動産M&A」では、売買の取引時に発生する課税額に違いが生じ、売り手側の手残り額に大きな差が生まれるのです。
では、実際の手残り額には、どれくらいの差が生じるのでしょうか。具体的な数字を例にあげて、みていきましょう。
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