「老人ホーム費用」も狙われている
また病院費用や葬儀費用の引き出しも、亡くなる直前でされることが多く税務署は必ず確認してきます。特に引き出したお金と、手元に現金として残っているお金の整合性が取れているのかを徹底的にチェックします。
使って手元にないからと無視していいわけではなく、あくまで亡くなった時点での手元現金を計算します。よって、生前に引き出した葬儀費用は申告しなければなりません。ただし、一定の葬儀費用は相続税の計算上差し引くことができますので、全て申告しなければいけないわけではありません。
調査官は老人ホーム費用も狙っています。入居費用は老人ホームによってさまざまですが、一部返還される場合もあり、この部分の申告漏れが多いのです。
例えば、老人ホ ーム入居金として1,000万円を支払い、亡くなった際に500万円が返還される場合は、この500万円も相続財産に加えて計算しなければなりません。相続税の税務調査に入られてしまう最も大きな原因は、このような預貯金の計上漏れです。
子供や孫の経歴や職業を聞くワケ
また子供や孫の経歴や職業を聞くのは、年齢や職業に見合わない財産があるかどうかを確認するためです。
例えば30歳の孫が金融資産を1億円持っていたとします。一般的に30歳で1億円を自分で蓄財することは難しいので、両親や祖父母からの援助があったと考えることが自然です。もしこの孫が一般的な企業に勤めているという内容を税務署が聴取できれば、1億円の財産をどのように形成したのかを午後の調査で追及することができるのです。
このように午前中の調査では、納税者に悟られずに、後々言い逃れができないように外堀を埋めてくるのです。調査官の質問には全て意図がありますので、心に留めておきましょう。
大田 貴広
税理士
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
調査官は重加算税をかけたがる
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