フリーランスなど「ひとり社長」の方は、経費にできるものをもれなく申告し、節税をすることが手取りの増加につながります。本記事では、『【超完全版】マンガでわかる 手取り倍増!ひとり社長の世界一ゆるい節税』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集して、著者のはたけ氏・なちぼぅ★氏が、ワ―ケーションなど遠方で仕事をしたときの節税ポイントについて解説します。
同伴者の費用も把握しておく
仕事で遠方に行く機会に、配偶者、子供、親などの家族を同伴するケースもあります。この場合にかかる家族分の費用は、どの程度まで仕事と関係しているかによって判断しますが、基本的には経費にできません。
経費にできるケースは、例えば、配偶者が会社の役員や従業員で、現地で仕事に同行した場合などに限られます。
一方、取引先と一緒に現地に行く場合は仕事の一部とみなされることが多く、移動費や宿泊費も経費にできます。ただし、この場合も、誰と、何のために旅行したのかを示す資料を残しておくことが重要です。
また、仕事に関係する視察や取材などの旅行は経費にできますが、年に何度も旅行していたり、同じ人と繰り返し旅行していたりすると税務署から「遊びではないか」と指摘される可能性が高くなります。同伴者が仕事相手であることは重要ですが、それよりも仕事で旅行したのかどうかが重視されます。
従業員が同行する場合
従業員と一緒に行く場合は、仕事の場合は経費にでき、遊びの場合は従業員向けの福利厚生となり、いずれの場合も経費にできます。
ただし、従業員が家族や親族のみの場合は家族旅行とみなされます。家族や親族以外の従業員が同行する場合も、旅行の期間が4泊5日以内(海外旅行の場合は外国での滞在日数が4泊5日以内)である、従業員全員を対象とした旅行である、旅行の参加者が全体の半分以上であるといった条件を満たしていない場合は福利厚生として認められません。
例えば、「若い従業員だけ」「成績優秀者だけ」といった条件をつけることにより一部の従業員しか参加できない旅行は、全員対象という条件を満たさないため福利厚生になりません。この場合は従業員への給与または賞与として計上し、課税対象になります。
【ひとことポイント!】
現地でしかできない仕事ならワーケーションの費用が経費にできる!
何をして、誰と会ったかメモを残そう!
個人専門税理士/ビジネス系インフルエンサー
1981年生まれ。個人専門税理士。ビジネス系インフルエンサー。Xのフォロワーは11.7万人を突破(2024年6月時点)。2008年に税理士登録の要件を満たしていたものの、サラリーマンとして10年以上の時を過ごす。その後、リモートワークの浸透とともに、今後の生き方を考えるようになり、40歳にして後悔しない人生を送ることを決意。2022年に税理士登録して独立開業。
開業を機に始めたSNSで、インボイス制度や電子帳簿保存法などを漫画で分かりやすく解説した発信が大反響を呼ぶ。現在は、千葉に拠点を置き、ひとり社長・個人事業主・フリーランス・副業している会社員の税務コンサルタントとして活動中。夜間や土日祝日も含め、365日対応可能な日本でも数少ない税理士事務所を運営している。
「個人の生活を豊かにする」をモットーに、毎日、節税・最新税制に関する情報を発信している。愛読書は『ドラゴンボール』。好きな食べ物はアイスクリーム。
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連載フリーランス・副業会社員など「税金で損をしたくない人」必読!
漫画家
1983年生まれ。漫画家。介護離職して2年。「人生このままおわるのかな」と思いを馳せて訪れた摩周湖の湖面と空の美しさに「絵を描きたい」と心が動く。残りの人生は子どものころから抱いていた「漫画家になって本を出す」という夢を叶えるべく、漫画を描き始める。開業して1年弱で100点近くのイラストや漫画を制作。産むか産まないか悩む妊産婦さん向け小冊子漫画を制作。
分かりにくいことを漫画で分かりやすく伝えることが得意。人から好かれるキャラクター作りと綺麗な配色づかいが好評。好きな食べ物は明治北海道十勝カマンベールチーズ。
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