実行には労力もかかるうえに相応のリスクも
このように、上昇相場の初期段階で買おうとすると、常に株式市場や個別銘柄の動きを追いかける必要があります。実際に実行するのは結構大変かもしれません。したがって、精度や買いタイミングの面では多少劣るものの、次のようにすれば労力も多少は減らせると思います。
・観察銘柄を大幅に絞り込む(自分の興味がある銘柄だけにする)
・観察銘柄の株価チェックの頻度を減らす(例えば毎週末のみとする)
・株価指数や個別銘柄等の底打ち・上昇の兆しの有無は日足チャートではなく週足チャートで観察する(観察が週1回で済む)
さらに、上昇相場の初期段階で買おうとすると、上昇相場ではなく単なる下落途中の一時的な戻りを買ってしまう、というリスクも高くなります。したがって、上昇初期で買おうとするならば、それが本格的上昇でなく、あや戻し(下落相場が続いたあと、一時的に少し株価が反転上昇すること)によるダマシだったことが判明次第、速やかに損切りすることが非常に重要です。
こうした一時的なあや戻しにできるだけ引っかからないようにするためには、例えば、日経平均株価や個別銘柄の多くが25日移動平均線(日足チャートでの分析の場合)や13週移動平均線(週足チャートでの分析の場合)の上方で恒常的に推移するようになって、上昇相場入りの確度が高まった段階で買い出動するようにします。これなら、株価は底値からある程度上昇してしまってはいるものの、失敗は減らせるのではないかと思います。
●日足チャート、週足チャート 株価の値動きを記録したチャートには1本のローソク足の期間が1日の値動きを示した日足チャートや、1本のローソク足が1週間の動きを示した週足チャート、1カ月の動きを示した月つき足あしチャート、1時間の動きを示した1時間足チャートなど、期間設定に応じて呼び名がついています。