“安易な同意”は絶対NG!「言い間違いです」は通用しない
税務調査官の質問や指摘に対して否定したり反抗的な態度をとったりすると、調査官からの心証が悪くなってしまい逆効果――
そんな話を聞いたことがある人も多いでしょう。しかし、もっと言ってはいけないセリフがあります。それは、「そうかもしれません」です。意外かもしれませんが、調査官からの質問に対しては、否定よりも不確かな状態で同意してしまうことのほうがよっぽど危険なのです。
たとえば、売上の「計上漏れ」であれば過少申告加算税で済みますが、売上の「除外」となると重加算税が課せられます。「売上計上漏れ」であれば “うっかり漏れた”ですが、「売上除外」となると“意図的に売上を計上しない=悪質”と判断されるためです。
したがって、税務調査で計上漏れが発覚した場合、調査官は「これは『売上除外』ですか?」と確認してきます。
そこで安易に同意することなく、「いえ、これは故意に除外したわけではなく、単なる売上の計上漏れです」ときっぱり否定することが大切です。
意図的に行ったのではないか? という点に調査官はこだわりますが、事実でないときは安易に同意せず、きちんと否定しましょう。
また、よくわからないまま返事をするのもNGです。記憶が曖昧なときは、「確認したあと、のちほど回答します」と答えることをおすすめします。
「申述書」も安易に書いてはならない
また、税務調査のあと、調査官が「申述書」を納税者に書くように求めてくるケースもあります。申述書は重加算税を課すための証拠となるため、納税者に対し「売上を除外しました」と記載するよう求めるのです。
しかし、申述書の記載が求められるということは、逆にいえば申述書がなければ重加算税を課すという決定的な証拠がないともいえます。
もちろん明らかに不正を行ったり間違っていた場合は申述書を書くべきですが、事実と異なるのに、そのような申述書の記載を求められた時は安易に書かないほうがよいでしょう。
むやみに同意すると不利益を被る
税務調査を行う調査官には、さまざまなタイプの人がいます。なかには、今回紹介したように、自分の査定評価を上げるために強引な指摘をしてくる人もいるでしょう。
また個人としてそういう意図はなくとも、税務調査は「性悪説」(=対象者は悪いことをしているに違いないという考え)をもとに行われる一面があります。
一般的に対象者は、「税務調査に来る」と言われると緊張します。早く終わらせたいからといって、よくわかっていないのに、税務署の指摘のまま同意して修正申告を出すケースが少なくありません。
しかし、1度税務調査に入られ、重加算税の指摘を受けたりすると、「この会社は不正を行う会社なのだ」というレッテルを貼られ、その後も不利益を被ることがあるため注意が必要です。
もちろん意図的に「仮装・隠蔽」をしている場合は重加算税を受けても仕方ありませんが、そうでない場合は安易に同意せず、きちんとした主張を行うべきでしょう。
宮路 幸人
多賀谷会計事務所
税理士/CFP
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