コロナ禍以降、税務調査が急増している
3年におよんだ新型コロナウイルスの流行が落ち着いていくに連れて「税務調査」が急増しています。
国税庁の2022事務年度(22年7月~23年6月)の税務調査結果に、その傾向が表れています。法人税、所得税、相続税いずれも、実地調査件数がコロナ禍全盛であった20事務年度を底として、急激に回復しているのです。
税務調査の「精度」も向上
また、コロナ禍以前よりも、税務調査の精度が向上している点も見逃せません。
調査件数はコロナ禍前に届いていないにもかかわらず、法人税、相続税の追徴税額は高水準を記録しています。また、所得税の追徴税額にいたっては、コロナ流行前の19事務年度を上回っているのです。
国税庁は、AI(人口知能)を活用したデータ分析を進めており、申告漏れの可能性がある納税者を判定する精度について、今後さらに向上することが予想されます。
税務調査で“狙われやすい会社”の特徴
バー、パチンコ店、廃棄物処理業は税務調査に入られやすい
過去の実績から「不正が多い」とみられている業種は、比較的税務調査に入られやすいといえるでしょう。昔から、バーやクラブ、パチンコ店のほか、廃棄物処理業、土木工事業などは狙われやすい業種といわれています。
また、一般的には赤字の会社よりも黒字の会社のほうが調査されやすいです。そのほかにも、急激に売り上げが伸びた場合や外注費が大きく増加した場合など、前年に比べ大きく変動した科目がある場合は税務署の目につきやすくなります。
さらに、過去に税務調査に入られて大きな申告漏れを指摘されたことがある場合や、反対に長期間税務調査に入られていない場合なども調査対象になりやすいでしょう。
近年、国税庁は「消費税」「国際取引」「富裕層」を重点的な調査項目としています。まず消費税については、外国人旅行者の立場を利用した免税取引などで、主に大手百貨店が申告漏れを指摘されています。さらに、富裕層を中心とした「海外資産の保有」が問題視されているため、この点にも注意が必要です。
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