税務調査官が“血眼で”申告漏れを探すワケ
そもそも税務調査とはなんでしょうか?
日本では、法人税や所得税をはじめとする多くの税金について、納税者(法人、個人)が自ら税額を計算して申告納付する「申告納税制度」が採用されています。
第三者によるチェック機能がないと、虚偽申告や不正行為が行われやすくなることから、これを防止する目的で納税者が正しく税務申告を行っているか税務署が確認・調査するのが「税務調査」です。
では、調査官は税務調査でなにを狙っているのでしょうか? 調査官にとって、税務調査は仕事の一環であり、その調査結果が本人の評価につながります。つまり、調査に行ってもなにも見つけられない調査官は評価されず、多額の納税漏れを見つける調査官が評価されるということです。
調査官が特に重視する「2つ」のポイント
調査官が重視するポイントは、
①「重加算税」をとれるか
②「増差税額」が多いかどうか
の2点です。
「重加算税」というのは、売上除外や架空経費、裏口座の作成など、税申告に際して“意図的な”仮装や隠ぺいが認められた場合に課される税金のことです。
通常の申告漏れの場合、10~15%の「過少申告加算税」が課せられるのに対し、重加算税は35%(無申告の場合は40%)とかなり重くなっています。また、重加算税は、調査官からすると「悪質な申告漏れを見つけた」として自身の評価につながるため、申告漏れが“意図的であったかどうか”は、調査対象者にとっても調査官にとっても非常に重要です。
加えて「増差税額」が多いかどうかも重要となります。増差とは、税務調査の過程で税金を申告された額より多く指摘し納税させることです。税務調査官の査定は、増差(増減差額)によって決まるため、増差税額はいわば“調査官の営業成績”ともいえます。
自分の評価を上げるため…なかには悪質な調査官も
税務調査官のなかには、自己の査定ポイントを高めるために、なかば強引に「あなたの申告内容は悪質であるため、重加算税の対象となります」と指摘し、重加算を課税しようとする調査官もいます。
もちろん数でいえば多くはありませんが、特に税務調査時に税理士の立会いがない場合、納税者も対応方法がわからず、一方的に当局の都合のいいように課税させられることがあるようです。
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