(※写真はイメージです/PIXTA)

富裕層に関するお金の問題解決にあたってきた江幡吉昭氏の新著『インフレ時代の投資術』(出版社名)より、著者の承諾を得て、いくつか内容を抜粋しご紹介していきます。本記事は第二段です。

欧米信仰は間違い…日本にいれば「世界中の投資ができる」

○日本は選択肢が多い

 

前述の海外のプライベートバンクもそうだが、日本にいるとなんとなく海外へのあこがれのようなものがある。資産運用はじめ日本は遅れているというような気持ちや感覚もあると思う。しかし日本は資産運用でも選択肢の多い国だと考えている。

 

日本にいれば世界中の美味しい料理が食べられるように、日本で世界中の投資ができる、手数料が一部の金融商品はやや高いという面はあるが、先ほどのPE(プライベートエクイティ)投資もできるし、世界の個別銘柄に投資もできる。

 

オプション※にもインターネット証券で投資できるし日本だけでなく、海外の不動産投資もできる。また、国際電話することなくLINE電話で海外の生の情報も収集できる。この20年で海外の情報にアクセスする方法も非常に多岐にわたるようになった。

 

※選択権取引ともいう金融派生商品のデリバティブの一種。ある原資産について、あらかじめ決められた将来の一定の日または期間において、事前に定めた権利行使価格で取引できる権利のこと。

 

そして、何より日本は治安もいいし国民は人種差別もしない良い国民だ。しかし、残念ながら税金が高い。20年前と比べれば法人税は安くなったものの、資産税と言われる相続税は実質的に上がり、海外に移住する富裕層を塞ぐ「出国税」も導入され、そのような点で富裕層には税金面で日本は不利というのは否定できない事実である。

 

よって、仕事が海外でも出来る状態であれば富裕層の一定数は海外を目指すのは当然の話でもある。また、元社長などの退職者なども海外に移り住むことが多い。

 

しかし、意外と住みづらいので、数年で海外から日本に戻ってくる方も多い。日本人を狙った日本人詐欺師も海外にいるし、トータルの海外移住のメリットとトータルのデメリットを差し引くと、有名人でなければ日本に居住し続けるということの方がメリットが大きいと考える。(教育や何世代も後のことを考えると別であるが)

 

節税に関してはある程度ルールがあるものなので、対策は取れる。実際IPO系の超富裕層(一代でとんとん拍子に東証グロースに上場してプライムまで駆け上がったような企業)が必ずと言っていいほど利用する財団スキームはその好例と言えるだろう。

 

とにかく、海外はいいな、欧米はいいなという欧米信仰は間違いで、日本人自体が日本のよさに気づいていない、過小評価しているというのは投資に限らず、非常に感じるのである。(このあたりの再評価が日本株にも引き続き注目されるはずだ)

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