(※写真はイメージです/PIXTA)

富裕層に関するお金の問題解決にあたってきた江幡吉昭氏の新著『インフレ時代の投資術』(出版社名)より、著者の承諾を得て、いくつか内容を抜粋しご紹介していきます。本記事は第二段です。

高齢者は「投機をやめておくべき」ワケ

○高齢になって投機は危険。若いうちは投機もOK

 

一般的によく知られている投機は危険という言葉(例えばFXは危険とか)だが、自分の裁量で何とかなる投機に関しては「ハサミと同じで使いよう」だと考えている。高齢になってハサミを使ってケガすることもあるだろうが、きちんとその効能や危険性を理解した上で、やればいい。

 

投機は、高齢者にとっては危険だし失敗したときにやり直しがきかない年齢ではやめた方がいい。

 

例えばこんな具体的な事例がある。ある名古屋のフランチャイズで店舗を経営していた60代の男性が、自分の体力の衰えを感じ、商売自体は儲かっているものの、親会社にフランチャイズの店舗を売却した。その売却金額がおおよそ1億円弱。

 

その男性は2010年にその売ったお金の大半で東京電力の株を購入。当時の電力株は公益株と言われ、値動きも優しく配当が相対的に高かったので、高齢者や退職金の運用先として人気の株であった。

 

ところが、2011年に東日本大震災が発生。株価は2000円台だったが、一時200円割れまでになる。当然そのお金も10分の1以下になったわけだ。一つの銘柄を全力買いする。これは若い時にはできるし、うまくいったときの儲けは計り知れない。しかし、逆に損をした時のダメージも大変なことになる。

 

要は投資自体は若いうちは投機も含めてリスクを取っていいのだが、挽回できない高齢になった場合は、リスクを抑えて運用すべきという教訓が残る。前述のクレディスイスの債券も同様である。退職金の大半をつぎ込んでゼロになるというのは、もう挽回できない。かといって過度にリスクを恐れて何もしないのは勿体ない話であり、インフレの時代、自信の資産と年齢と相談しながら、適切なリスクを取るべきである。

 

若い人は、たとえ20歳代、30歳代で資産運用に失敗したり、投機に失敗したりして資産が10分の1になったとしても、再度頑張って働き、投資に関する知識と経験を積むことでいくらでも挽回できる。よって、リスクを恐れずチャレンジしてほしい。

 

逆に言うと若いうちに経験しておかないと歳を取った時、いざというときに投資に乗り出しても未経験であればよほど運と時代が良くなければ踏み出せない。投資も人生も同じということになろう。若い時の失敗はお金を出しても買えといったところであろうか。

 

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本記事では、9箇条のうち4〜6つ目をご紹介しました。次回の記事では残りのパートについてご紹介いたします。

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