(※写真はイメージです/PIXTA)

下流老人、老後破産…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。自身の老後のために貯蓄したいところですが、現役世代には「親の介護」も重要な課題となっています。厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』等の結果と共に、老人ホームの費用についてみていきます。

「高額な費用」の内訳

老人ホームの費用には、入居一時金、月額利用料、介護サービス費用などが含まれます。入居一時金は一度に支払う大金で、数百万円から場合によっては1,000万円を超えることもあります。月額利用料には、家賃、食費、管理費が含まれ、さらに介護サービス費用が加わります。

 

「入居一時金を支払えば月額利用料が安くなるというプランもありましたが、両親がその金額を用意するのは難しい状況でした。月額利用料だけでも20万円を超えるとなると、年金だけではとてもカバーできません」と中山さんは説明します。

 

中山さん自身も家庭を持ち、子供の教育費や住宅ローンの支払いなど、経済的な負担が大きい中で、両親の老人ホーム費用を捻出するのは非常に厳しい状況でした。「自分の家族の生活費もある中で、両親の老人ホーム費用をどうやって工面するか、本当に悩みました」と中山さんは語ります。

 

費用の問題から、中山さんは費用が比較的安い公的施設や特別養護老人ホーム(特養)への入居も検討しました。しかし、特養は入居待ちの状態が続いており、すぐに入居することが難しいという現実もありました。

 

「特養の入居待ちは長く、数年待たなければならないこともあります。両親がすぐにでも介護が必要な状態では、その選択肢は現実的ではありませんでした」。

最終的に「民間の介護付き有料老人ホーム」に決めたワケ

中山さんは、地域包括支援センターやケアマネージャーに相談し、両親の状況に合った施設やサービスを探すことにしました。また、親しい友人や同僚にもアドバイスを求めました。

 

「多くの人が同じような悩みを抱えていることがわかり、少し安心しました。また、プロのアドバイスを受けることで、自分だけで悩まずにすむようになりました」と中山さんは話します。

 

最終的に、中山さんは両親を民間の介護付き有料老人ホームに入居させることにしました。入居一時金が少ないプランを選び、月額費用を抑えることで、何とか両親の年金と自身の収入でカバーできる範囲に収めました。

 

「決して安くはない費用ですが、両親が安全で快適に過ごせる場所を見つけることができて、少しほっとしています。経済的な負担は大きいですが、家族のためにできることをするしかないと思っています」と中山さんは言います。

 

高齢者の介護は経済的な負担が大きく、家族にとって大きな悩みの種となるもの。老人ホームの費用が高額であるため、年金だけでは賄えず、家族の支援が不可欠となることが多いのです。少しでも負担を軽減できるよう、適切な相談や支援を受けられる環境が求められます。

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