「長期的な保有は儲からない」説が間違っている3つの理由
しかし、こうした見方は当を得ていない。まず、そもそも日経平均はハイテクの成長株が中心の株価指数であり、推奨する業況トップ企業の割安株は、こうした株価指数とは異なる変動をしたものもある。
個人投資家が生涯で買える株はせいぜい十数銘柄であり、そのパフォーマンスを株価指数全体の動きで議論するのはミスリードである。
第二に「儲かる、儲からない」の基準が間違っている。懐疑論者は値上がり益を判断基準にしているが、本書で推奨する投資手法は、老後の生活資金を補充するために、高配当利回りを獲得することを狙っている。値上がり益はあくまで“ボーナス”との位置づけだ。
配当の利回りが預貯金など他の競合商品を上回っていれば「儲かっている」と判断するのが妥当である。もし他の競合商品が配当利回りを上回っているのであれば、株式投資は見合わせる。老後の生活資金の補充は他の金融商品に任せるべきだ。
もちろん株式投資なのだから値上がり益という“ボーナス”があるに越したことはないが、それがないからと言って失敗と決めつけるのは間違っている。「儲かる、儲からない」はあくまで相対的な判断だ。
万一、値下がり損が生じた場合は、墓場まで持っていけばよい。家族に遺産相続すれば、喜ばれることはあっても恨まれることはない。
最後の理由は分散投資という考えを無視していることだ。「長期投資は儲からない」のは、バブルのピークに株をまとめ買いした“極端な”人の場合である。こういうことが起きないように、買いのタイミングを散らす分散投資を推奨している。
たとえ株価が下落していたとしても、一定の間隔で少しずつ買い増していけば、平均の買いコストが下がる。その間に、高利回りの配当金が入っているのであるから問題はない。
読者は「長期に持てば必ず儲かるという保証はない」という危うい考えに惑わされて、くれぐれも短期売買に走ることのないようにしていただきたい。
川島 睦保
フリージャーナリスト、翻訳家
※本記事は『一生、月5万円以上の配当を手に入れる! シニアが無理なく儲ける株投資の本』(日本実業出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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