“長期投資をしても必ず儲かる保証はない”…そんな言葉に惑わされて「短期売買」に走っては絶対にいけないワケ【経済誌元編集長が助言】

“長期投資をしても必ず儲かる保証はない”…そんな言葉に惑わされて「短期売買」に走っては絶対にいけないワケ【経済誌元編集長が助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

巷では「投資をするなら短期売買を選ぶのがベスト」だとする意見も多いですが、『一生、月5万円以上の配当を手に入れる!シニアが無理なく儲ける株投資の本』(日本実業出版社)の著者である川島睦保氏は、同書の中で「長期投資こそ初心者向き」だと提言しています。さらに、株式投資においては「安全運用の鉄則」があり、これを守っていれば大きく失敗することはないとも言っています。それはなぜなのか、書籍から一部抜粋してご紹介します。

「長期的な保有は儲からない」説が間違っている3つの理由

しかし、こうした見方は当を得ていない。まず、そもそも日経平均はハイテクの成長株が中心の株価指数であり、推奨する業況トップ企業の割安株は、こうした株価指数とは異なる変動をしたものもある。

 

個人投資家が生涯で買える株はせいぜい十数銘柄であり、そのパフォーマンスを株価指数全体の動きで議論するのはミスリードである。

 

第二に「儲かる、儲からない」の基準が間違っている。懐疑論者は値上がり益を判断基準にしているが、本書で推奨する投資手法は、老後の生活資金を補充するために、高配当利回りを獲得することを狙っている。値上がり益はあくまで“ボーナス”との位置づけだ。

 

配当の利回りが預貯金など他の競合商品を上回っていれば「儲かっている」と判断するのが妥当である。もし他の競合商品が配当利回りを上回っているのであれば、株式投資は見合わせる。老後の生活資金の補充は他の金融商品に任せるべきだ。

 

もちろん株式投資なのだから値上がり益という“ボーナス”があるに越したことはないが、それがないからと言って失敗と決めつけるのは間違っている。「儲かる、儲からない」はあくまで相対的な判断だ。

 

万一、値下がり損が生じた場合は、墓場まで持っていけばよい。家族に遺産相続すれば、喜ばれることはあっても恨まれることはない。

 

最後の理由は分散投資という考えを無視していることだ。「長期投資は儲からない」のは、バブルのピークに株をまとめ買いした“極端な”人の場合である。こういうことが起きないように、買いのタイミングを散らす分散投資を推奨している。

 

たとえ株価が下落していたとしても、一定の間隔で少しずつ買い増していけば、平均の買いコストが下がる。その間に、高利回りの配当金が入っているのであるから問題はない。

 

読者は「長期に持てば必ず儲かるという保証はない」という危うい考えに惑わされて、くれぐれも短期売買に走ることのないようにしていただきたい。

 

 

川島 睦保 

フリージャーナリスト、翻訳家

 

※本記事は『一生、月5万円以上の配当を手に入れる! シニアが無理なく儲ける株投資の本』(日本実業出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

 

 

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