科学的根拠のない「民間療法」に傾倒するリスク
日本ではがん患者の多くが病院での標準的な治療に加え、民間療法を利用しているといわれています。2011年厚生労働省の調査結果では、がん患者の約45%が利用しているということで、そのなかで最も多いものがサプリメントとなっています。
『民間療法』とは国立がん研究センターによると、
と発信されています。具体的な例としては、
■ビタミン、ハーブ、サプリメント、健康食品など
■鍼や灸、マッサージ、カイロプラクティックなど
■レイキ、セラピューテック・タッチなど
■アーユルベーダ、伝統的中国医学、ホメオパシー、自然療法薬など
といったものがあげられています。そして重要なこととして、
ということが合わせて発信されています。また、
ということで、民間療法によるマイナス効果についても注意喚起されています。
費用は青天井、破産リスクも
2011年厚生労働省の調査結果では、民間療法を利用するがん患者の出費額は、月に平均5万7,000円となっていて、決して小さい額ではないといえるかもしれません。
民間療法といわれているもののほとんどは医療行為ではないため、健康保険の対象にはなりません。そのため費用は業者の言い値ということになり、想像以上の高額な費用が請求されてトラブルにつながっている事例もあります。
今回の事例の竹田さんも夫のがんが消えてほしいというただ一点の願いから、希望をいだかせるものを見つけてはそれに手を出し、気がついた時に預金残高が5分の1に減ってしまっていました。
夫のためとはいえ預金の大半をわずか1年半ほどで使ってしまいましたが、竹田さんの老後の生活はこれからまだ長く続いていくことが考えられます。夫を失う怖さがあったとはいえ、やはり竹田さんがとった選択は、経済的な観点からは適切であったとはいえないかもしれません。
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