定年後「年金生活」を送るAさんと早期リタイアを選んだBさん
現在68歳のAさん(男性)は、大学卒業後、大手広告代理店に就職しました。30歳で結婚し、2人の子どもをもうけましたが、長時間労働が原因で家庭内での時間が減り、50歳で早期退職を決意しました。その後はフリーランスとして働きながら家庭と仕事のバランスを保ち、65歳で完全にリタイアしました。
Aさんは現在、妻と都内のマンションに住んでいます。子どもたちは既に独立し、自身の家庭を持っています。
そんなAさんには、大学時代の友人・Bさんがいます。Bさんは企業を経営していましたが、45歳で会社を売却し、早期リタイアを選びました。Bさんも妻と2人暮らしです。
2人は、お互いの定年後の生活について打ち明け合いました。
「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」
Aさんは定年後、老齢基礎年金として年間78万1,200円(月額6万5,100円)、老齢厚生年金として年間92万4,000円(月額7万7,000円)、合計で年間170万5,200円(月額14万2,600円)を受給しています。
一方、Bさんは自営業だったため、老齢基礎年金として年間78万1,200円(月額6万5,100円)を受給し、また早期リタイア後も株式投資などで収入を得ているそうです。
厚生労働省の『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、65歳以上の男性の老齢厚生年金受給権者の平均受給月額は16万7,388円、国民年金の平均受給月額は5万6,316円です。AさんとBさんの受給額は、この平均と比較してもやや高めです。
Bさんは、老齢基礎年金に加え、株式投資や不動産収入などで年間約200万円の収入を得ています。合計すると、年間278万1,200円(月額23万1,767円)の収入を得ていることになります。
この話を聞いたAさんは、自身の老後資金について不安を抱き、ファイナンシャルプランナーのもとへ相談に行くことにしました。