救急車を呼んでいれば…夫を亡くした68歳元共働き妻、一人で過ごす老後に慣れぬなか、日本年金機構からの〈遺族年金の通知〉が。“少なすぎる金額”に憤慨「二人では年金月45万円だったのに!」【FPが解説】

救急車を呼んでいれば…夫を亡くした68歳元共働き妻、一人で過ごす老後に慣れぬなか、日本年金機構からの〈遺族年金の通知〉が。“少なすぎる金額”に憤慨「二人では年金月45万円だったのに!」【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

夫婦共働きでがんばってきたからこそ、年金もタブルで受け取れる。老後はある程度の暮らしができるだろうと思っている人が多いのではないでしょうか。しかし共働きならではの注意点があるのです。本記事では、K美さんの事例とともに、共働き夫婦の遺族年金について、合同会社エミタメの代表を務めるFP三原由紀氏が詳しく解説します。

元共稼ぎ夫婦、会員制ホテルを楽しむ老後が突如暗転…

K美さんは現在68歳。社会に出た当時は、男女雇用機会均等法すらなかったなか、なんとか遠縁の叔父が経営していた出版関連の会社に、いわゆるコネ入社で滑り込み、定年の65歳まで勤め上げました。

 

同い年の夫は大学時代のサークル仲間、卒業後は大手メーカーの研究職として、同じく65歳で完全リタイアをしました。

 

長年共働きをしていた2人ですが、実は定年後に実現したいプランがありました。それはリゾート会員権を購入して、全国の温泉地に点在する会員制ホテルを制覇することです。定年前からいろいろと資料を取り寄せて吟味をし、どうせなら、と奮発して一番高いグレードを購入しセカンドライフの始まりを満喫していました。

 

夫の死

ある日のことです。

 

自宅でくつろいでいるときに、胸が痛いと夫が訴えたのです。すぐさまタクシーを呼び、かかりつけ医のいる病院に向かうも、あろうことか車中で夫は帰らぬ人となってしまいました。救急車を呼ぼうと強く進言していたら助かっていたかもしれない……とK美さんは自分自身を責めずにはいられませんでした。

 

コロナ禍の急逝でもあったため、葬儀は身内の近親者で執り行い、死亡後の手続きは一人娘(37歳)が滞りなく済ませてくれていました。いまだ一人で過ごす日常に慣れないなか、日本年金機構からの通知がポストに。開封してみると、遺族厚生年金の決定通知書に「年金額20万円」と記載があります。

 

「年金額20万円って月1万6,000円? 一体、どういうこと?」というのも、数ヵ月前に参加した同窓会での会話を覚えていたからです。昨年、夫に先立たれたという友人のR子さんが「遺族年金は配偶者の4分の3もらえるし、しかも非課税だから助かっているわ」たしかにそう話していました。急に不安にかられたK美さんでした。

 

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