(※画像はイメージです/PIXTA)

首都圏を中心に、デベロッパーの都市開発が進む一方、地方では人口減少・地域の過疎化が止まりません。人がいなくなった街に残るのは、「空き家」。都道府県別の現状を見ていきましょう。

人口減少が止まらない!空き家の増加も止まらない!

少子高齢化が進む今、空き家問題は深刻化の一途を辿っています。相続によって両親や親戚の家を継いだものの、わざわざ移住する予定はない。解体するにも費用がかかるし、そのまま放置……といった事態が相次いでいるのです。

 

総務省『住宅・土地統計調査』(令和5年)によると、居住世帯のない住宅は937万6,000戸(総住宅数に占める割合14.1%)。当該住宅のうち、俗に言う「空き家」は900戸を占めており、前回の調査(平成30年)と比べ、51万戸増加しています。

 

総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.8%となり、過去最高値を更新しました。日本の家の8軒に1軒以上は空き家になってしまっているわけです。

 

空き家の内訳をみると、もっとも多いのは「賃貸用の住宅」で、443万3,000戸(総住宅数に占める割合6.9%)。「売却用の住宅」が32万7,000戸(同0.5%)、別荘などの「二次的住宅」が38万3,000戸(同0.6%)、「その他の住宅」と続きます。

 

同調査では、都道府県別の空き家率についても調べています。総住宅数において、空き家の割合がもっとも高くなったのは、和歌山と徳島で「21.2%」。山梨「20.5%」、鹿児島「20.4%」、高知「20.3%」、長野「20.0%」と続きます。20%を超えたのは6県。5軒に1軒以上が空き家となれば、その深刻さがうかがえます。

 

山梨県は空き家問題解消のための一策として、前回調査で空き家率がもっとも高かったことを逆手に取り、「空き家率日本一の山梨県で空き家活用ビジネス!」をすすめてきました。空き家を利用したい事業者向けの相談窓口を設置し、情報提供の支援をするほか、所有者側にも補助制度を創設。商業利用に伴い改修が必要な場合は、費用の2/3以内<上限250万円>を県が補助する仕組みです(特別枠の場合は改修費用の3/4以内<上限500万円>)。

空き家の少ない県ランキング…見事1位は「埼玉」!

なお、もっとも空き家の少なかった県は、沖縄「9.3%」。埼玉「9.4%」、神奈川「9.8%」と続きます。10%にとどまったのは上記のたった3県でした。

 

現状でこそ空き家数は少ない埼玉ですが、同県の令和15年の空き家数は84万戸(21.5%)になると予測しており、「地域に密着した市町村が地域の実情に応じた対策を講じる必要」があると警鐘を鳴らしています。

 

東京一極集中が進み、地方の過疎化が止まらない現在。管理の行き届いていない空き家は、景観の面はもちろんのこと、街そのものの安全を脅かすリスクも潜んでいます。

 

現在の家を「終の棲家」としている方は相続対策を、賃貸用として物件を所有している方は、ゆくゆくの出口戦略を考えることが早急に求められています。そして何より、「なんとかしきゃとは思っている空き家」を抱えている方は、行政もしくは空き家活用ビジネスをすすめる事業者に要相談といえましょう。

 

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