(※写真はイメージです/PIXTA)

暗号資産に投資して利益を得た場合、日本では多額の税金が課せられます。しかし、海外へ移住すれば、暗号資産投資の利益への課税を合法的にゼロとすることが可能です。そんなことが本当にありうるのかと思われる方もいるでしょう。今回は実例として、タイ王国の首都バンコクに移住した暗号資産投資家のインタビューをご紹介します。国をまたいだ法人設立や国債税務に明るい国際弁護士の小峰孝史氏が解説します。

地方から東京を経てバンコクへ移住した、暗号資産投資家の実例

筆者は弁護士として、主に日本企業や日本の富裕層向けに、日本の税法等の法令を踏まえつつ香港の税制上のメリットを生かすよう、アドバイスを提供する業務を行っており、その一環として、節税を目的としたタイやマレーシアへの移住をサポートしています。

 

日本ではビジネスのみならず、暗号資産への投資にも多額の税金が課せられますが、この負担軽減にも海外移住は有効な選択肢です。なかでもおすすめはタイへの移住です。

 

今回は、筆者のサポートでタイの首都バンコクに移住した、暗号資産専業投資家のKさんのお話を紹介します。

刺激的な東京から、タイのバンコクへ移住を決意した理由

小峰:Kさんは日本時代にどのようなお仕事をなさっていたのか、改めて教えてください。

 

Kさん:私は西日本の某市で公務員をしていたのですが、2016年ころに暗号資産投資を始めました。主にビットコインとイーサリアムの投資をしていました。そのうちに、公務員として得ていた給料の額を上回るようになり、2021年に市役所を退職し、暗号資産投資専業になることにしました。

 

小峰:それはすごい。

 

Kさん:私は西日本の生まれで、社会人生活まで含め、ずっと西日本に住んでいました。そのため、日本の中心の東京に一度住んでみたいという思いがあり、また、東京に行けば、暗号資産に関する情報をもっと得られるのではないかという気持ちもあって、東京に引っ越しました。

 

小峰:東京に来て、生活は変わりましたか?

 

Kさん:はい。西日本にいたころは、暗号資産にまつわる情報はネットでしか得ることができませんでしたが、東京ではイベントに参加して情報収集できるようになりました。そういう点では、大きく変わりました。

 

小峰:そこから東京を出たわけですが、なぜでしょう?

 

Kさん:西日本でずっと暮らしてきて、東京も最初は新鮮でした。しかし、東京に2年住んで次第に慣れてきたこともあり、環境を変えたいと思ったのです。あとは、日本で暗号資産投資をしていると、税金がとても高いのに嫌気がさしたというのもあります。

 

小峰:なるほど。東京を出ようとしたのはわかりましたが、移住先としてタイのバンコクを選んだのはどうしてでしょうか?

 

Kさん:まず、納税額を下げたいという点からは、移住先は海外である必要がありました。そもそも、地方都市から東京に出てきて、次にどこに住もうかと考えたとき、日本の地方に暮らす自分が想像できず、思い浮かんだのが「海外のどこかに住んでみたい」ということでした。海外移住しようと思い、インターネットから日本語で情報収集をしていて、いちばん情報が多くて住みやすそうだと思えたのが、タイのバンコクでした。

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