日本の住宅は「断熱・気密性能」がますます求められる時代へ
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省エネや健康の観点から、住宅の断熱・気密性能の重要度が増しています。今は各社が断熱・気密性能の向上を図っている過渡期です。
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現在の住宅業界は過渡期です。背景にあるのは、地球環境への配慮です。つまり、建物の断熱性能・気密性能を向上させることで、より省エネな住宅をつくっていこうというのが昨今の流れなのですが、ハウスメーカーによって、その対応に大きく差があるのが実情です。
住宅業界では、1999年に断熱等性能等級4(当時の最高基準)が制定されて以来、23年後の2022年3月まで、ずっと同じ基準が維持されてきました。そして、2022年4月から断熱の最高等級5が定められ、同年10月からは最高等級が7にまで引き上げられました。
これにより、これまで断熱・気密性能に関してほとんど進歩がなかった日本の家づくりが、ようやく動き始めたわけです。
冬の日本の住宅の室内平均温度は約10度です。これは、ロシアやデンマークなど、日本よりも高緯度に位置し、寒さが厳しい国よりも低い数値です。つまり、世界的に日本は家の中が圧倒的に寒いのです(図表1)。
日本では、交通事故による死亡者数よりも、冬の入浴時など、急激な寒暖差で血圧が乱高下することによる「ヒートショック」で亡くなる人の数の方が多いような状況です。また、夏においても、熱中症の発生場所として最も多いのは、実は家の中です(図表2)。
これらのリスクは、住宅の断熱・気密性能が低いことが一因です。さらに、法改正により2025年4月から、新築住宅は省エネ基準に適合するよう義務付けられる予定で、断熱・気密性能がますます求められる時代になってきています。
実は、断熱・気密性能は「担当営業」によって決まる
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<POINT>
家づくり成功のカギを握るのは、担当の営業マンです! 営業マンのレベルによって、家の性能や金額など、すべてが左右されます。
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家づくり成功のカギを握っているのは、担当の営業マンと言っても過言ではありません。注文住宅による家づくりは、担当営業によって家の性能と金額が決まり、担当設計士によって家の出来が決まり、担当工務によって家の質が決まります。そして、最初の窓口となる営業マンによって、担当設計士と担当工務が決まるので、担当営業のレベルによって、結果的にすべて左右されるのです(図表3)。
「担当営業によって家の性能が決まる」というのは、主に断熱・気密性能に関することです。大手ハウスメーカー各社は、断熱仕様の選択肢を増やすものの、一つに絞ることはあまりしません。その結果、現場の営業担当者任せになっているというのが実情です。そのため、リテラシーの低い営業マンに当たってしまうと、夏は暑くて冬は寒い、光熱費がかかる家になってしまう可能性が高まります。気密性能に関しても同様で、積極的に取り組んでいる営業マンとそうでない営業マンがいます。
金額面に関しても、担当営業マンが社外にどれだけ顔が利くか、または、どれだけ施主のことを真剣に考えて配慮できるかどうかで異なってきます。実際、私も営業マン時代、一部のキッチンメーカーから特別に値引きをしてもらっていました。
このようなことは私に限ったことではなく、信頼と実績のある営業マンなら、誰でもあり得ることです。一方、信頼も実績もない営業マンは顔が利きません。そうなると、価格調整の協力を得られず、結果的に施主側が損をすることになります。
まかろにお
住宅系YouTuber
大学卒業後、大手ハウスメーカーに入社。商品企画・住宅営業を経験し、営業で全国トップの成績を獲得。その後、大手金融機関の不動産融資担当などを経て、独立。「人から始める家づくりの重要性を世に広める」をモットーに、ハウスメーカーの解説や、家づくり全般に関する攻略法について情報を発信している。注文住宅を建てる人が自ら営業担当を選べるマッチングサイト「MEGULIE(メグリエ)」を運営。
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