(2)配当性向が低い
配当性向は、企業が稼いだ利益のうち株主に配当として還元される割合を示す指標で、次のような式で計算されます。
配当性向(%)=1株当たり配当金÷1株当たり利益×100
配当性向はできるだけ低い方が望ましいでしょう。配当性向が低い=会社の外に出ていくお金が少ないことを意味しますので、以下のような利点があります。
・企業は配当として現金を会社の外に出さず、収益を自社に再投資して企業価値を向上させることができる。
・会社にお金がしっかり貯まっていれば、危機への備えにもなる。
逆に、配当性向の高い企業は主に以下の特徴が挙げられます。
●成熟産業(成長分野が限られている):成熟産業は市場の成長が鈍化しており、新たな成長分野が限られている業界を指します。このような産業では、企業は収益を株主に還元することを重視し配当性向が高くなる傾向があります。
●株価維持:株価を維持することを優先し、株主に対して安定した配当を提供することで投資家の信頼を獲得しやすくなります。
株主の立場からすると良く見えるのかもしれませんが、逆に言えば利益を貯め込んでも活用する先がなく、配当金を出すしかないという見方もできます。
私たち個人投資家は限られた資金を有効活用して成長する企業へ投資しなければなりません。それならば、配当金を出すだけではなく他の事業活動にもしっかり資金を使う企業に投資した方が将来のリターンは大きくなります。
そのため、できるだけ配当性向が低い企業の方が望ましいと考えます。成熟企業への投資も悪くありませんが、配当性向はどんなに高くても65%程度に抑えたいところです。
児玉一希
株式会社RES 代表取締役
※本記事は『高配当10倍株投資 「高利回り×高成長」で資産を4倍速で増やす!』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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