今回は、海外不動産投資で現地の業者選びが特に重要な理由について解説します。※本連載は、国際自由人・藤村正憲氏の著書『国際自由人』(IBCパブリッシング)中から一部を抜粋し、海外投資で成功できるノウハウを分かりやすく具体的に解説します。

「同じ国、同じ町」の物件なのに大きく異なる価格

すでに書いてきたとおり、アジアで不動産投資をやるなら、今はマレーシアが一番いい。でも、マレーシアなら何でもよい、というわけではない。同じ国、いや同じ町の中でも、価格には大きな差がでる。

 

東京二十三区内の不動産価格が地区内によって大きなばらつきがあることを考えれば当たり前なのだが、海外になるとつい忘れてしまうので、改めて注意しておきたい。

 

クアラルンプール郊外のカーブ・ショッピングセンター(theCurve)
クアラルンプール郊外のカーブ・ショッピングセンター(theCurve)

 

知人が以前クアラルンプール郊外のカーブ・ショッピングセンター近くに、三千万円のコンドミニアムを買った。このとき、もう少し離れたところに、同じようなグレードで一千万円台のコンドミニアムがあったのだが、周囲は空き地で何もない。それならショッピングセンターの近くのほうが賃貸付けも容易だろうと思って、前者を選んだのだ。

 

しかし、一千万円台のコンドの周辺にはその後病院や大型スーパーがどんどん立ち並び、鉄道を通す計画も浮上したため、今では五千万円まで上がっている。あの時安いほうを買っておけば、とほぞを噛んだが、もちろん後の祭りだ。

 

その逆の例もあった。知人が買ったクアラルンプール中心部の億ションが、周辺環境が変化してアフリカ系移民が多く住む地区に変わってしまったため人気がなくなり、五千万円台にまで下がってしまったケースもある。

日本にいて見つけるのは難しい好物件の情報

両者とも、私に言わせれば軽率な投資だったと思う。開発計画を政府筋に確認するなど、不動産仲介業者が現地のヒアリングをきちんとしていたら、コンドミニアムの値上がり傾向は予測できたはずだし、億ションのほうも、実際にその地区を歩いてみたら、どのような人が暮らしているか、様子を察することができたはずだ。数千万円単位の投資なのだから、購入する本人も仲介業者も、十分な調査が必要だ。

 

私はジョホール・バルで不動産投資を紹介しているが、治安がとても良い地区で、一流デベロッパーが日本人向けに開発した案件に絞っている。デベロッパー選びも重要だ。建設前に資金を集めるだけ集めて倒産してしまうデベロッパーもあるからだ。

 

どれだけ信頼できるデベロッパーとタッグを組むかが、安全な不動産投資を日本に紹介する上でもっとも大事なポイントだ。実際、お客様に紹介しているコンドミニアムに、私も家族と一緒に住んでいるが、建物のグレードはすばらしいし、セキュリティも万全なのでとても気に入っている。このような物件であれば問題はない。日本人仕様に浴槽もつけているから、日系企業も喜んで賃借してくれるし、日本人リタイアメント層も現地の富裕層もほしがる物件だから、キャピタルゲインも十分期待できる。

 

このような物件を日本にいて見つけるのは難しいだろう。現地の信頼できる不動産業者を探して、情報を十分に集めるようにしたいものだ。

国際自由人

国際自由人

藤村 正憲

IBCパブリッシング

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