(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁の調査によると日本の正規社員の平均年収(給与)は約523万円であり、この額で40年間働いたとすると年金は月におよそ15万円もらえる計算となります。支払った金額から考えると、「長生きしないと損しているのではないか」と思いがちですが、それでも親世代よりは「得している」という考え方もあるようです。

「家族のために」と考えると、どうしても…

しかし「年金制度があるから親の老後は心配しなくてもいいのか」というと、そう簡単な話ではありません。介護にはお金がかかります。実際、どれくらいの金額になるのでしょうか。長尾義弘氏と福岡武彦氏の共著、『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)において、以下のように説明されています。

 

“では、要介護になった場合はいくら必要でしょう。

 

公的介護保険がありますから、原則1割の負担で介護サービスを受けられます。ですので、自己負担はそれほど多くなりません。しかし、公的介護保険だけではいきれない部分があるのも事実です。公的介護保険の上限を超えたぶんや、対象外のサービスは自己負担になります。

 

損保ジャパン日本興亜の「介護費用に関するアンケート調査」(2019年)では、介護にかかる初期費用は98.1万円、月額費用は12.7万円、介護期間の平均は約3年7か月、介護費用の総額は平均787万円となっています。

 

平均期間は約3年7か月ですが、実際にどのくらい続くかわかりません。介護費用として800万円くらいは準備しておきたいものです。”

 

「800万円くらいは準備しておきたい」、と衝撃の金額が書かれています。たしかに公的介護保険の範囲内でなんとかやりくりしようとしても、子供にかける教育資金と同様に、「家族のこと」となると、どうしてもお金をかけてしまうのが人の性というもの。自分が贅沢をするわけではなく「家族のために……」となると、どうしても資産を削ってしまいがちです。

 

家族への愛情の問題ですから、際限なく、ない袖を振ろうとする人もいるでしょう。しかし資産を破綻させてしまったら、本当に必要な介護にあてる費用までなくなります。

 

「年金制度」は社会の変化にあわせてかたちを変えていくものなので、「現行の制度のままでは大変なことに……」という心配は無用です。とは言え、「800万円の準備」が必要であることも含め、やはり介護への心構えや備えをしておくことが重要でしょう。

 

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