(※写真はイメージです/PIXTA)

株式などとは違い、価値が暴落するリスクが低く“安全”とされる「金」。価格は20年以上も上昇を続けている人気の資産です。しかし、そんな金を売却する際は注意が必要だと、多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士はいいます。税務調査によって多額の追徴税額を課されたAさんの事例をもとに、金売却時の注意点をみていきましょう。

20年以上続く「金価格」の高騰…いったいなぜ?

金の平均買取価格は近年高騰しており、2000年は1,014円※1であったのに対し、2023年では8,834円※2と約9倍近く跳ね上がっています。今年に入ってからもなお金価格は上昇を続けており、過去最高値となっています。

 

1999年の最低買取価格は917円でしたから、金の価値が10倍以上となっている人もいることでしょう。

※1、※2 いずれも税抜価格。

 

ここ20年ほど金の価値が上昇している理由については、主に

 

・NYの同時多発テロ(2001年)

・リーマン・ショックによる金融危機(2008年)

・新型コロナウイルス流行によるコロナ・ショック(2020年)

・ロシアによるウクライナ侵攻(2022年)

 

などが影響しているといわれています。いずれも株式市場が下落し、社会不安が高まったことにより、「安全資産」といわれる金を購入する人が増え、金相場が上昇したと考えられます。

 

現在、米国や日本の株式市場は好調ですが、今後も経済の先行きが不透明な状況が続く限り、安全資産とされる金の需要はしばらく高いままであるとみられます。

 

金や暗号通貨…税務署は「価値が上がっている資産」に目を光らせている!?

金相場が高騰するいま、税務署もそれにかかる申告について目を光らせており、申告漏れがないか重点的にチェックしています。また足元で価格が急騰している暗号資産も要注意です。

 

「故意に確定申告しなかった」=悪質であると判断された場合、Aさんのように重加算税が課せられますのでご注意ください。

 

また、「脱税」は刑事罰として懲役刑や罰金刑の対象となる可能性もあります。したがって、金を売却し利益が出た場合には必ず確定申告を行うようにしてください。

 

 

宮路 幸人

多賀谷会計事務所

税理士/CFP

 

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