(※写真はイメージです/PIXTA)

東京都では令和6年4月から、都立高校等の授業料が実質無償化されます。また、私立高校については年間約48万円まで、保護者の所得を問わず助成されます。保護者の年収による教育格差是正の1歩となるかもしれない、東京都の高等学校等の授業料支援の各制度について、詳しく見てみましょう。

<返還不要>都立高校等の学費が実質無料に

高等学校等に通う子どもたちが、学費や保護者の懐事情を気にせず勉学に打ち込めるよう、国が授業料の支援金として各都道府県に交付しているのが、「高等学校等就学支援金事業」です。文部科学省が主導しており、平成22年(2010年)4月1日より開始されました。

 

申請すると、国から就学支援金を交付された各都道府県が、学校(学校設置者)に就学支援金を支給し、就学支援金を受け取った学校が、生徒に代わって授業料を補填します。生徒は学校に申請書と保護者の課税証明書を提出します。生徒や保護者のもとに、直接就学支援金が届いたり、振り込まれたりすることはありません。
 

<就学支援金の流れ>

 

    国

    ↓

  各都道府県 

    ↓

 学校(学校設置者)

    ↓

 学校(学校設置者)が申請した生徒に代わって授業料に充てる

 

東京都では、都立学校等に在学する生徒を対象に最大36ヵ月(定時制及び通信制の課程においては48ヵ月)にわたり、申請者の授業料が支援されます。

 

対象となる都立学校の種別は下記の通りです。

 

<「高等学校等就学支援金」の対象となる都立学校の種別>

・都立高等学校

・都立中等教育学校の後期課程

・都立特別支援学校の高等部

 

気になる支給額は、「授業料相当額」(上限あり)となります。東京都は公表資料にて「就学支援金は、生徒の保護者等の所得に応じ、授業料が無料になる国の制度です。」(東京都教育委員会印刷物登録 令和2年度 第29号より抜粋)と明記しており、「実質無償化」されます。

 

この制度を利用するには、保護者の所得制限があり、所得制限額を超える場合は支給されません。所得制限額目安となる審査基準額の計算方法は下記の通りです。

 

<「高等学校等就学支援金可否」審査基準額の計算方法>

(保護者等の合計額)

区市町村民税の「課税標準額」 × 6% - 区市町村民税の「調整控除の額」

※ 政令指令年の場合は、「調整控除の額」4分の3を乗じて計算する

 

上記の式から導かれる額が30万4,200円未満であれば、支給の対象となります。年収の目安でいうと、年収約910万円(世帯構成員等によって変動)未満相当です。

(出所:令和2年度高等学校等就学支援金 審査基準変更のご案内|東京都教育委員会

<所得制限ナシ>支援金制度対象外の生徒の授業料を、都が全額免除

就学支援金制度の所要要件を満たさない生徒に対して、新たに東京都が生徒の授業料を全額免除する制度が令和6年4月からスタートしました。それが、都立高校等の授業料を実質無償化する「授業料免除制度」です。世帯年収にかかわらず、都立高校等の授業料が実質無償となります。

 

「授業料免除制度」を利用するには、就学支援金制度の対象外である必要があります。

<東京都>「授業料免除制度」申請手続きのステップ

「授業料免除制度」の申請手続きをするにはまず、国の「高等学校等就学支援金制度」を申請します。

 

その結果、支援金制度の対象外となった場合のみ「授業料免除制度」を申請します。もし支援金制度の対象となった場合は、支援金制度を受けられます。いずれにせよ、授業料を支払うことなく、都立高校等に通うことができます。

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