俯瞰してみると「大勢に影響がない」と知る
新しい挑戦をして何か摩擦が起こると、つらくなったり、心が落ち込んだり、苦しくなったりするときが出てくるものです。
その瞬間、気持ちが沈んで絶望してしまいがちです。どうして自分だけが苦しいのだろう、大金を損してショックだ、めちゃくちゃ傷つくことを言われた……もう人生が嫌になるくらいです。
誰でも新しい挑戦に取り組めば、うまくいかないこと、周囲との摩擦が起こって傷ついたり、損したなと思って、落ち込む瞬間はあることでしょう。
ですが、数年後に振り返ったときに、そうしたつらさの99%は大したことがなかったとわかるはずです。自分の人生の大勢には影響がなかったと気づけるものです。
これは、人間の特殊能力だといってもいいかもしれませんが、記憶を風化させることができるのです。
仮に“つらさ指数”があるとするなら、今すごく傷ついて、つらさ指数100だとしても、1年後2年後に同じく100のままということはまずありません。ゼロとは言わないまでも、つらさは15~10くらいまで減っているものです。
人との出会いや別れもそうです。自分の例を出すと、数年前に私は期待していたスタッフに会社を辞められて、自分の責任だと思ってすごく落ち込んだことがあります。
自分の能力不足、実力不足もありましたが、自分が全否定されたように感じて、しばらくは食事ものどを通らないほどでした。
しかし、今ではその人と再会してご飯を食べるほど仲良くなっていますし、別の優秀なスタッフにもめぐり合うことができました。100だったつらさ指数が今では1~2くらい、むしろマイナスに振れているくらいです。
そうした経験があったおかげで、よりよい組織運営ができるようになったり、人との向き合い方も変わったり、プラス面での収穫がありました。
今、地獄のようにつらいなと思っていることも、しばらく経つと風化します。数年後には話のネタになるだろうな、と思っていたほうがいいくらいです。
私の場合、著作を出しているので、たとえ摩擦や苦労、つらい経験があっても、人に教えてあげられる面白いネタになるなと考えるようにしています。
つらすぎて絶望すると、行動が止まってもおかしくありません。しかし「このつらさはいつか風化するし、自分の人生において大勢に影響がない。ここで行動を止めてしまうと成功から遠のいてしまう。
今、目の前にある困難を解決するために、きちんと向き合ってみよう」と考えていけば、心が前向きになっていきます。
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