生命保険の保障内容や契約の見直しの手続き、満足度向上のカギは「オンライン」の有効活用【2024年生命保険保全手続満足度調査】

「J.D. パワー2024年生命保険保全手続満足度調査℠」より

生命保険の保障内容や契約の見直しの手続き、満足度向上のカギは「オンライン」の有効活用【2024年生命保険保全手続満足度調査】
(※写真はイメージです/PIXTA)

米国を本拠とする国際的なマーケティングリサーチカンパニー、J.D. パワー(ジェイ・ディー・パワー)より、生命保険保全手続の満足度に関する調査結果が発表されました。「保全」とは、生命保険加入者の環境の変化などに応じて、保障内容や契約の見直しを行うことです。今回の調査によって、2023年度と比較し「総合満足度」はほぼ横ばいに推移したほか、「オンラインによる連絡」が満足度向上に寄与していることがわかりました。

本調査のポイント

総合満足度は横ばいに推移

本調査は、直近1年以内に生命保険の保全の手続や連絡を行った顧客を対象に調査をしている。本年の業界全体の総合満足度は前年調査(2023年3月発表)と比較して、ほぼ横ばいの+4ptであった。ファクター別に見ると、「手続・書類」が+6pt、「連絡・案内」が+5ptの向上を見せたものの、「顧客対応」では+2ptにとどまる結果となった。

 

また「顧客対応」ファクターの内訳を見ると、「ホームページ」が+8pt、「担当者」が+5ptの向上を示したものの、「コールセンター」が-6ptと低下を示した。

 

オンラインによる連絡は満足度向上に有効、年代に応じた使い分けを

保全期の顧客への保険会社からの連絡方法が多様化する中、オンラインを使用した連絡の満足度が高いことが明らかとなった。

 

専任の担当者からの連絡(1年に1回以上)については、「対面(直接の対面での面談)」、「オンライン面談(オンライン会議システム・ビデオ通話での面談)」、「電話」、「Eメール」、「LINEやSMS」、「郵送物(ハガキや手紙、冊子)」の各連絡方法別に連絡の有無や頻度、満足度を聴取している。

 

満足度を見ると、従来からある「対面」、「電話」、「Eメール」、「郵送物」といった連絡方法より、「オンライン面談」や「LINEやSMS」といったコロナ禍以降に浸透してきた新しい連絡方法の満足度が高いことが確認された。

 

これらの新しい連絡方法について年代別に見ると、年代によって受け入れ方に差があることがわかる。「オンライン面談」の満足度は40代以下では高いものの50代以上では大きく低下する一方、「LINEやSMS」では全ての年代で満足度が高いことが確認された。

 

コロナ禍を経て非対面のコミュニケーションが広まる中、新しい顧客接点として生命保険業界でもこれら2つのコンタクトチャネルは浸透が見られる。

 

こうしたコンタクトチャネルは、保全期における顧客とのコミュニケーション手段として有効であり、年代に応じた使い分けをしていくことが重要と言える。

 

[図表2]J.D. パワー2024年生命保険保全手続満足度調査℠【専任の担当者がいる顧客の連絡方法別総合満足度】

 

J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門

常務執行役員 梅澤希一のコメント

 

生命保険会社各社はSNSの活用を積極的に推進しており、保全期での活用も進められている。具体的には、LINE公式アカウントの開設のほか、健康・医療情報を提供する例なども見られる。

 

SNSの活用により中長期的な視点で顧客と継続的なつながりを持つことを通じ、業界の課題である若年層も含めて顧客とのタッチポイントを強化する戦略が背景にあるものと考えられる。

 

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧