(※写真はイメージです/PIXTA)

初めて投資信託を始める際、いったいどんなことを知っておけばいいのでしょうか? 経済アナリストの森永康平氏による著書『新NISA対応版 いちばんカンタンつみたて投資の教科書』には、初心者向けの投資信託の選び方がまとめられています。今回は、保有資産を見直すリバランスの考え方についてみていきましょう。

複数の投資信託を買っているなら

日経平均株価やS&P500などの株価指数に連動するインデックスファンドを1本買う場合は、基本的には定期的につみたて投資をしていくだけですから、特に見直しの必要はありません。

 

唯一あるとすれば、人生のフェーズが変わるタイミングで、バランスファンドに切り替えるなどはしてもいいかもしれません。

 

それでは、複数の投資信託を買って、ポートフォリオを組んでいる場合はどうしたらよいでしょうか。たとえば、先進国株式と新興国株式の2本を買っている場合を考えてみましょう。

 

今、先進国株式と新興国株式の投資信託をそれぞれ25万円ずつ買っていたとします。ポートフォリオの合計は50万円ということになります。

 

その後、先進国株式の投資信託の基準価額が2倍になり、一方で新興国株式のほうは全く基準価額が動かなかったとすると、先進国株式の投資信託は50万円、新興国株式の投資信託は25万円のままで合計75万円になります。

 

この時、何もしなければ、このポートフォリオを持っている投資家は、かなり先進国株式に投資資金が偏っていることになります。そこで、先進国株式の投資信託を12.5万円分売却し、その資金で新興国株式の投資信託を買って37.5万円ずつにして、当初の通り半々の比率に戻したとします。

 

その後、先進国株式の投資信託の基準価額が半分になったとします。その場合、先進国株式の投資信託が18.75万円、新興国株式の投資信託は今回も基準価額が動かなかったとすると、ポートフォリオ全体は56.25万円となり、もとの50万円よりは増えたままの状態になります。

 

仮に先進国株式の投資信託の基準価額が2倍になった時に見直しをしないでいたら、その後先進国株式の投資信託の基準価額が半分になったら、結局元通りになっていただけでした。

 

このようにポートフォリオを見直して、増えた分を元に戻すために売却し、その売却分でその他の資産を買い増していくということをリバランスと言います。

2つあるリバランスのタイミング

それでは、リバランスはどのようなタイミングで行えばいいのでしょうか。私は2つあると思います。1つは今説明してきたように、比率が増えすぎてきたものを売却して、その資金で他の資産を買って、ポートフォリオ全体の比率を元に戻す方法です。

 

国内外の株と国内外の債券をそれぞれ25%ずつ投資するという4等分を基本としつつも、各資産に基本の比率から乖離することを許されているパーセンテージが設定されていて、そこをはみ出た場合にはリバランスを行います。

 

このように、自分でも基本的な比率から〇%はみ出たらリバランスと決めておき、その条件に触れたら適宜リバランスをするというパターンです。

 

そして、もう1つは、定期的なリバランス。

 

これは人によるとは思いますが、一般的には4半期(3ヶ月)に1回か、年に1回というのが一般的とされています。本書の読者にはなるべく投資に労力を割かず、とにかく長く続けてほしいと思っていますので、複数の投資信託でポートフォリオを組む人は、年に1回見直してリバランスするといいのではないでしょうか。

 

 

森永 康平

 

金融教育ベンチャーの株式会社マネネCEO/経済アナリスト

 

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※本連載は、 森永康平氏による著書『新NISA対応版 いちばんカンタンつみたて投資の教科書』(あさ出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

新NISA対応版 いちばんカンタンつみたて投資の教科書

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森永 康平

あさ出版

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