制度の対象になっているものを選ぶ
実践的な話を聞きたい方のために、具体的な投資商品の選び方を解説していきます。
ネット証券であれば2,600本以上の投資信託が買えます。とても便利な時代になった一方で、選択肢が増えすぎて何を買えばいいのかわからないという悩みを持つ方もいるでしょう。
そこでまずは、どういう視点で商品を選べばいいのかということから見ていきます。
初めにお伝えしたいのが、選択肢を一気に10分の1に絞り込む方法です。本書はつみたて投資がテーマですから、新NISAのつみたて投資枠の対象になっている投資信託を選べばいい。ただそれだけです。
つみたて投資枠の対象となる投資信託は、旧つみたてNISAの対象商品が引き継がれており、その本数は、2023年10月時点でおよそ250本程度です。
つまり、つみたて投資枠の対象になっているものから選ぶという方針だけで、ネット証券で買える2,600本以上の投資信託のうち、10分の1以下の250本程度まで絞り込むことができます。
手数料が低いものを選ぶ
次に手数料が低いものを選ぶようにしましょう。投資信託には主に3つの手数料があることはすでに説明しました。①購入時に発生する「買付手数料」、②保有している間に発生する「信託報酬」、③「売却時に発生する「信託財産留保額」です。
まず、①の買付手数料ですが、最近は一切かからない投資信託が増えており、そのような投資信託はノーロードと呼ばれます。
すでに数多くのノーロードの投資信託が世に出ていますので、その中から選ぶようにしましょう。
次に②の信託報酬です。これは数値自体はそれほど大きくなく、保有期間中にジワジワと差し引かれる手数料ですが、長期保有が前提となるつみたて投資では無視できない手数料です。
信託報酬が1%違った場合の資産総額の推移をシミュレーションすると、たかだか1%しか違いはなくとも、長期で保有するほどその差が大きくなります。どちらを選べばいいかは言うまでもありません。
そして、③の信託財産留保額ですが、こちらも一切かからない投資信託が数多くあるので、その中から選ぶようにしましょう。
ちなみに、先程つみたて投資枠の対象商品の中から選びましょうと書きましたが、つみたて投資枠の対象商品となるインデックスファンドには、さまざまな要件が設定されています。
そのうち、手数料については、①ノーロードであること、②投資対象が国内資産であれば信託報酬は0.5%以下(税抜き)、海外資産であれば0.75%以下(税抜き)と決められています。
信託財産留保額については要件がありませんが、つみたて投資枠の対象商品となっているインデックスファンドで信託財産留保額は設定されていないものも少なくありませんので、それほど気にする必要はないかもしれません。
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