転職したい企業の面接に臨む際、若い人は「できることが少ないので、落とされてしまうかも」などと考え、悩んでしまうことも少なくありません。また、熱意を伝えたいと思うがあまり、間違ったアピールをしてしまうケースもあります。そこで今回は、転職のプロである東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏が、具体的な「志望動機のNG集」をお伝えするとともに、若い人が面接を受ける際に大切なことを解説します。
採用面接で「御社の商品やサービスのファンです」は逆効果?転職時の「志望動機NG集」【キャリアのプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

若い人は「等身大の自分」をアピールすれば十分

比較的若い人を中途採用する場合、卒業から年数が経っていないこともあり、キャリア上の経験値は充分でないことが多いと思います。それは、企業側も百も承知です。ポテンシャル、即戦力、経験値といった面を、どのように評価するかも、企業ごとに違います。

 

ポテンシャルの部分については、若い人であれば、経験が浅くても「伸びしろ」があると企業側は考えています。そのため、本当は面接にそれほど怯えたり自信を喪失したりする必要はないですし、逆に大風呂敷を広げたり、嘘をつくようなことは避けなければなりません。若いなりに、等身大の自分をアピールすればよいと思います。

 

ところが、いざ面接となると、等身大で臨むというのは意外に難しいもので、誰もが思い悩むところです。しかし、繰り返しになりますが、若い人に対しては、企業は「できることが限られている」ことを理解しています。

 

新卒の面接では、ポテンシャルを推し量る意味で学生時代の生活の話題に触れることもありますし、第2新卒程度であっても学生時代のことが話題に含まれるでしょう。「この2~3年どのような実績を出しましたか」という質問をしても、答えられることが少ないことも企業はわかっています。

 

聞きたいのは、「この先、何をしたいですか」ということくらいでしょうか。もうすこし高度に聞くなら、「この数年の経験で、ご自身が何をしたいと思うようになったか」ということくらいでしょう。やはり、将来に関する希望や展望を明確に持っているかどうか、面接ではそういうところをよく聞いてきます。

 

ところが、特に入りたい会社が見つかった場合、どうしても企業側に熱意を伝えたいという気持ちから、志望動機を伝える際に「空回りのアピール」をしてしまうことがあります。