(※写真はイメージです/PIXTA)

値上げ、物価高のニュースが収まりません。こうした状況のなか、収入のほとんどを年金に頼る、年金生活者の生活苦は深刻度を増しています。本記事では、高野さん親子(仮名)の事例とともに、生活に困窮した高齢親へのひとつの選択肢について、FP事務所MoneySmith代表の吉野裕一氏が解説します。

申請から1ヵ月後、母親の笑顔に安堵

後日、母親と二人で福祉事務所に足を運び、申請を行いました。

 

申請後2週間経っても連絡がなく、申請が受け入れられなかったのかと思っていましたが、母親のほうへ担当者から連絡があり、無事に生活保護を受けられることになったようです。

 

高野さんの母親の場合では、住める家があるため、住宅扶助の支給はありませんでしたが、月額で7万円が支給されることになりました。

 

支給が開始されるまでには1ヵ月以上かかりましたが、申請をしてから2ヵ月後には、支給が始まり、口座に入ったことを確認した母親は高野さんに「ありがとう。お金が入っていた」と電話を掛けてきました。

 

高野さんはいまの自分の状況では母親の面倒をみることができなかったと後悔されていましたが、子ども2人が大学を出て社会人になってからは、母親を呼んで一緒に暮らすことや仕送りをすることも考えたいそうです。

 

内閣府が発表した「令和5年版高齢社会白書」では、令和4年度の65歳以上の生活保護受給者数は、105万人になります。このうち、65歳以上の人口に占める割合では2.91%となっています。生活保護受給者の総数は令和3年から減少していますが、高齢者は横ばいとなっています。平成23年からの推移をみると全体として増加傾向にあることが見えてきます。

 

これは、インフレについての意識が低いことも一因であると、筆者は考えています。老後の生活を安心して過ごせるように準備を行うためには、インフレを意識した準備が必要となるでしょう。実質貨幣価値を踏まえた資産形成を、若いうちから始めておきたいですね。

 

 

 

吉野裕一

FP事務所MoneySmith

代表

 

 

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