今回は、Airbnbのゲストが「物件の鍵を紛失した」場合の対処法を見ていきます。※本連載は、Airbnb総合研究会代表、阿部ヨシカズ氏の著書『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』(ソシム)の中から一部を抜粋し、Airbnbを始める際に知っておきたい法律面・契約面のポイントや、想定されるトラブルの解決法などを紹介します。

鍵は見つからず・・・シリンダーを交換する費用が必要に

深夜0時に、ゲストから鍵を紛失してしまったので部屋に入れない、という緊急の電話がかかってきました。しかも、翌日の朝には飛行機で発たないといけないので、荷物を取るために至急、鍵を開けて欲しいと求められました。

 

帰りの飛行機をキャンセルということになると大問題ですので、深夜にもかかわらず部屋に急行して合鍵でドアを開けました。

 

無事に飛行機には間に合いましたが、結局、鍵は見つかりませんでした。鍵がどこにあるのかわからないとなると、セキュリティの面からそのまま使い続けるわけにはいきません。後日、鍵のシリンダーを交換しましたが、その費用に約3万円かかりました。

 

当時は、保証金の設定をしていなかったため、ゲストからは回収することができず、この出費は全額私の負担となってしまいました。

トラブルの場合を想定して「保証金」を設定しておく

このトラブルがあってから、キーボックスを設置して、伸縮可能な紐を取り付けた鍵は持ち運べないようにしました。外出時には鍵を閉めた後に、キーボックスに入れてもらうルールにしました。

 

また、ハウスルールには、鍵を紛失した場合は、2万円程度の実費を負担してもらうことを明記して、それに充当できる保証金を設定するようにしました。

 

Airbnbでは、基本的にゲストから現地で現金を受け取ることを禁じています。ゲストの過失で備品を壊したり紛失したりした場合は、予約の際に設定した保証金の範囲でカバーするか、Airbnbが提供しているホスト保証の申請を行うことで対応します。

 

Airbnbのホスト保証は最大1億円までの補償が行われますが、申請から承認までの手続きに時間もかかりますので、できるだけ保証金を設定しておくことをおすすめします。

 

ゲストが異国の地で何かトラブルに遭遇したら、まず頼りにするのがホストの存在です。鍵の紛失に限らず、ゲストから緊急の連絡が飛び込んでくる可能性は常にあります。物件が離れている場合やホストが旅行などで不在になる場合は、緊急時の対応ができない場合があることもハウスルールに記載しておいたほうがいいでしょう。

 

【図表 トラブル回避のポイント】

本連載は、2016年1月12日刊行の書籍『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

阿部 ヨシカズ

ソシム

Airbnb(エアビーアンドビー)は主に海外からの旅行客に対し民泊の仲介を行うサービスで、日本でも急速に利用者を伸ばしています。 本書では、Airbnbしくみと現状の使われ方、副業としての可能性などのほか、旅館業法などの法…

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