「リアルとネット」で分類されるホストの業務
ゲストに宿泊するための部屋を貸し出すためには、ホストにとってさまざまな業務が発生します。ホストを開始するにあたって、どのような業務が必要になるのかを把握しておきましょう。特に、副業として取り組みたい場合は、今のライフスタイルですべての業務を自分でこなせるのかどうかを判断しなければなりません。もし、一部の業務がどうしても自分で行えない場合は、その業務が外注可能かどうかを検討することになります。
ホストの業務は、主にAirbnbのシステムやメールなどのメッセージングアプリを使った「ネット業務」と、設備の準備や部屋の清掃などの「リアル業務」に大きく分類できます。
【図表 リアル業務とネット業務】
ネット業務は、貸し出す物件のリスティングを作成してAirbnbのシステムに登録したり、リスティングに対する問い合わせや予約申し込みがあったゲストに対して英語で返事を書いたりすることがメインです。問い合わせに返事を書くのは、パソコンからでも可能ですが、できればスマホアプリから素早く返信できるように練習したほうがいいでしょう。
ゲストは、通常、予約する物件を絞り込むために、同時に複数の物件に対して問い合わせをします。返事が一番早かった物件に即決定するわけではありませんが、ゲストの立場になれば、素早く返事をくれるホストへの好感度は上昇します。逆にいえば、返事が遅くなるほど、予約を取りにくくなります。
リアル業務のメインは「日々の部屋の清掃」!?
ネット業務は、リスティングの作成にしても、問い合わせへの返事にしても、英語を使うことが多くなります。返信するメッセージに文法や綴りのミスが目立ってしまうと、ホストとのコミュニケーションに不安を与えるかもしれませんが、そのことをあまり恐れる必要はありません。英語があまり得意でない人は、ゲストとのコミュニケーションの経験を積んで、英語力を磨けばいいでしょう。
ただし、リスティングについては、部屋を貸し出す条件を記載する契約書の役割を果たしますので、英語の間違いは大きなトラブルにつながりかねません。リスティングについては、原文を日本語で作成して、それを英語の得意な人に英訳してもらうことをおすすめします。英訳については、インターネットを使って安く外注する方法もあります。
リアル業務は、部屋の設備・家具の準備と、日々の部屋の清掃がメインです。設備・家具の準備とは、部屋を貸し出すにあたり、ベッドや寝具など、最低限の設備を設置することを指します。この業務は、基本的には最初に一度だけ発生します。部屋の予約が順調に埋まってくるようになると、新しい設備の導入や新品への買い換えを検討すればいいでしょう。設備のグレードがアップすることで、宿泊料の値上げもしやすくなります。
ホストにとって、部屋の掃除が最も手間がかかる業務といえるかもしれません。部屋の掃除には、タオルやシーツ、カバーなどリネン用品の交換も含まれます。Airbnbでは、2泊以上連続して滞在する場合、滞在期間中の部屋の掃除については、ゲストにお願いするという条件で部屋を貸しているホストも少なくありません。
リネン用品については、あらかじめ宿泊数分、部屋に置いておけば事足ります。あらかじめ、そのような条件に同意して宿泊してもらうことで、部屋の掃除はゲストがチェックアウトした時だけに回数を抑えることができます。
これ以外のリアル業務としては、チェックイン時の鍵の受け渡しがあります。鍵は直接会って手渡すのが理想的ですが、ゲストのチェックインをずっと待つのも大変なので、受け渡しにキーボックスを使ったり、鍵の置き場所をあらかじめメッセージで伝えておいたりという方法がよく採用されています。