最大1億円までの損害が補償される「ホスト保証」
Airbnbを通じて行われた予約は、Airbnbのサービス利用規約に基づく契約になります。必ず、Airbnbのサービス利用規約には目を通しておいてください。ゲストからの予約申し込みをホストが承認すると、Airbnbから旅程表、領収書、ホストの連絡先などの情報が記載された予約確認メールが届きます。この予約確認メールの受信をもって、ホストとゲストの間の契約が成立します。
ホストは、ゲストとの間で特に契約書を交わす必要はありません。ゲストは、リスティングの内容を読んで予約を行うことで、Airbnbのサービス利用規約に同意したことになります。いわば、Airbnbに掲載されたリスティングが契約書の役割を果たします。逆にいえば、リスティングに記載する内容が事実と異なっていた場合、ホストはその責任を負います。リスティングの記載方法については、書籍『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』第4章で詳しく説明します。
ゲストが注意をしていても、絨毯にワインをこぼしたり、ガラスを割ってしまったりすることもあります。場合によっては、ゲストが自分の過失を認めないケースもあるでしょう。そのようなトラブルをスムーズに解決するために、Airbnbでは、ホストの損害を最大1億円まで補償する「ホスト保証」を提供しています。これは、ゲストによって部屋の設備等に損傷が生じ、ゲストとの直接の話し合いで解決できない場合に、Airbnbがゲストに代わって損害を補償するものです。
金銭、有価証券、収集品、希少価値のある芸術品、宝石、ペット、対人はホスト保証の適用対象外です。また、老朽化や摩損が原因の損傷も保証の対象外となります。
実際に補償を求めるケースが発生した場合は、補償支払い請求フォームから報告して、提携の保険会社に損害の証拠書類を提出します。ただし、この保証は住宅保険や賃貸住宅保険に代わるものではありません。あくまでも、ゲストとの話し合いで解決することが基本となります。
通知しておけばゲストから「保証金」を預かることも可能
Airbnbでは、部屋を貸すにあたり、ゲストによる何らかの損害をカバーする目的で保証金を預かることができます。保証金は、リスティングに宿泊料金と一緒に表示されますが、予約時に保証金は決済されず、クレジットカードの利用枠が押さえられるだけです。ゲストが何か設備を破損させたなどの事実が判明すれば、ホストはゲストのチェックアウトから48時間以内に、保証金からの補償を申請します。その申請が認められて初めて、クレジットカード会社に請求が回されます。問題なくチェックアウトしてホストから申請がなかった場合は、押さえられていたクレジットカードの利用枠も解消されます。
リスティングに明記していない保証金を、Airbnbの決済システム以外でゲストから直接預かることは違反行為として禁止されています。
部屋を提供するにあたり、ゲストと直接、契約書を結びたい場合は、リスティングの中に契約書の具体的内容を記載して、宿泊には契約書への署名が必要と明記すれば、チェックインの前に契約書や同意書に署名を求めることも可能です。また、契約書という形ではなくても、ゲストが守るべきハウスルールを英語で記載して部屋に設置するのも、トラブルを回避する方法として有効です。
【図表 トラブル・事故に対する保証】