今回は、Airbnbの「ホスト業務」を依頼できる代行業者の概要について見ていきます。※本連載は、Airbnb総合研究会代表、阿部ヨシカズ氏の著書『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』(ソシム)の中から一部を抜粋し、Airbnbを始める際に知っておきたい法律面・契約面のポイントや、想定されるトラブルの解決法などを紹介します。

ゲストの「個人情報の管理」の外部委託は注意が必要

日本でもAirbnbのホストとして部屋を貸し出す人が増えてきたことに伴い、ホストの業務を代行してくれるサービスも次々登場しています。中には、ネット業務にあたるリスティングの作成から予約の調整、ゲストからのメール問い合わせ対応、予約を入れたゲストへの道案内PDF送付など、あらゆるホスト業務を代行してくれる業者まで存在します。

 

時間を節約したい人には、代行業者に依頼するのも一つの方法ですが、ゲストのやりとりについては、ホストが自ら行うことを前提にしておいたほうがいいと思います。この部分は、ホストの経験を積むことでノウハウを確立していけますし、何よりゲストの個人情報の管理を外部業者に委ねるには細心の注意が必要だからです。

 

ホストとしての活動を続ける予定であるなら、最初は苦戦するかもしれませんが、ネット業務は自分でやってみることをおすすめします。

 

最も外注しやすいサービスとしては、ホストのリアル業務である部屋の掃除があげられます。ただし、掃除専門の代行業者に依頼する場合、1Kの部屋で1回4000〜5000円前後、一戸建て全体だと1万5000円〜2万円になるケースが多く、金銭的にはかなりの負担になります。新しいゲストを迎えるにあたって、前のゲストがチェックアウトした後に掃除をするのは必須ですので、掃除のコストは必要経費と割り切り、宿泊料金に上乗せしておくという考え方もあるでしょう。

 

Airbnbでは、宿泊料とは別に「清掃料金」を設定することも可能ですが、ほとんどのホストは宿泊料に含めていますので、清掃料金を設定するとゲストに敬遠される理由になります。よって、まずは掃除やリネン用品の補給についても、自分でやることを想定してシミュレーションを行い、掃除に必要な時間を把握した上で、どうしても掃除のための時間を確保できない場合のみ、代行業者にスポットで依頼する形を検討してみましょう。

部屋の清掃は「個人に依頼」して費用を抑える手も

掃除の外注費用をできるだけ抑えるには、簡単な家事のシェアリングサービス「Any+Times(エニタイムズ)」やインターネットで個人に仕事を発注できる「クラウドワークス」「ランサーズ」などを活用する方法もあります。Any+Timesは、インターネットを通じて掃除などの家事を個人に依頼できるサービスで、いわばAirbnbの家事専用版とも表現できるサービスです。依頼するのは、物理的に近所に住んでいる個人ということになりますが、うまく条件が合えば、非常に低コストで掃除を代行してもらえる可能性があります。また、近所にシルバー人材センターがあれば、シニアのスタッフに掃除をお願いする手もあります。

 

これらのサービスを利用する場合、お願いするのは掃除のプロというわけではありませんが、掃除はゲストがチェックアウトした後に行いますので、プロよりも多少時間が余分にかかっても問題ないでしょう。

 

リスティング登録から予約の受付、ゲストのチェックアウトまで一連の業務をイメージしてみて、できるだけ自分で行うことを基本に考えてみましょう。どうしても外注に出さないと対応できない場合、クオリティとコストのバランスを考慮して、どこに発注するかを検討しましょう。

 

【図表 掃除を安く外注できるサイトの例】

本連載は、2016年1月12日刊行の書籍『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

阿部 ヨシカズ

ソシム

Airbnb(エアビーアンドビー)は主に海外からの旅行客に対し民泊の仲介を行うサービスで、日本でも急速に利用者を伸ばしています。 本書では、Airbnbしくみと現状の使われ方、副業としての可能性などのほか、旅館業法などの法…

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