浪費習慣がやめられない理由
だから、以前のわたしは、お昼休みや帰り道に間食のお菓子をコンビニで買うこともやめられませんでした。コンビニの商品は決して安くありませんし、お菓子の食べ過ぎは太るだけなのに、「毎日200円〜300円の出費で仕事を頑張れるならいいじゃないか」と正当化していたのです。
同じように、休憩時間になれば自動販売機に行って、1日に2本〜3本の缶コーヒーやペットボトル飲料を買って飲んでいました。
「節約するなら水筒持参がいいはずだけど、忙しくて時間もないし!」と、“頑張るための必要経費”にする毎日でした。これは本当に“便利な正当化”です。
1日あたりでは数百円の少ない経費でも、実際に家計簿をつけてみれば、月に1万円〜1万5,000円ほども使っていることになり、びっくりする金額です。
そこで、「少しは我慢してみよう」と思ってはみたものの、今度は「買わないこと」にモヤモヤしたストレスを感じてしまうのです。
「この苦痛はなんだろう? きっと理由があるはずだ」
そこで金融や節約の知識を学ぶとともに、人間の心理や脳の仕組みについても本で勉強をしてみたところ、人間は、「習慣化された行動をやめることに苦痛を感じる」というのです。
その理由は、浪費習慣がストレスコーピング(ストレスのはけ口)になっているから。「イライラしたらお菓子を食べる」「ストレスが溜まったら缶コーヒーを買って飲む」といった日々のなにげない浪費が、わたしにとって、毎日のストレスコーピングだったのです。
同じように、「週末にほしい服を買う」「高いコスメを買う」という行為も、興奮を伴って脳がドーパミン(快感をもたらす脳内ホルモン)を分泌させることでストレスコーピングになり、浪費が自分のメンタルを守る手段になっていました。
だから、「節約しよう!」と意気込んで浪費をやめたところで、最初のうちは我慢できても、だんだんとつらくなってしまうわけです。間食のお菓子のような毎日の習慣になっている行動なら、2日〜3日ですぐにイライラが募ります。
でも、それは当然です。溜まったストレスがはけ口をなくして行き場がなくなり、自分のなかに蓄積されてしまうのですから。
まして、すでに仕事のストレスでメンタルが失調気味であれば、買い物を我慢しただけで悲しくなってしまったり、イライラが自分に向かって自己嫌悪になったり、体に不調が現れてしまったりすることもあるかもしれません。
これでは、「節約」という行為が「苦痛」なものだということを、自分の心と体に刻むばかりで、その先にある貯金やお金の不安解消にはたどり着けません。
最良の手段は、日常的なストレスを、できる限りなくすことです。
わたしの場合は転職がその一助となりました。すべてのストレスがきれいさっぱりなくなったわけではありませんが、少なくとも理不尽な残業や、人間関係のモヤモヤ、そしてセクハラやパワハラなどもなくなり、ストレスの総量が一気に下がっていったのです。
心に余裕ができればストレスコーピングの必要性は少なくなるので、浪費習慣をストップして節約生活をはじめても持続しやすいことを、身を以て経験することができました。
節約生活が習慣化すれば、「なにかを我慢するのがつらい」といった思考に陥ることもなくなっていきます。
節約オタクふゆこ
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