今の日本経済は1980年代の半分の実力
海外旅行が“高嶺の花”になってしまったのも、海外での日本の存在感が薄れているのも、日本経済が衰退を続けているからだ。いまの日本経済を見ていると、海外旅行が大ブームになった1980年代の半分の実力しかない。
ところが、日本政府にはその実感がない。岸田文雄首相は、相変わらず、無用な外交を続け、日本がいまも「大国」であるかのように振舞っている。しかし、どう見ても日本は「先進転落国」であり、他国を援助する余裕などない。
2023年2月、日本政府は来日するフィリピンのマルコス大統領との会談で、年間2000億円を超える支援を表明したが、これに対してSNSでは怒りの声が巻き起こった。
《年間2000億円超支援表明? 防衛費の一部1兆円を増税しようとしてもめているのに》
《岸田の海外バラマキ合計18兆円超えたぞ自公支持者と無投票層のせいで日本の貧困が加速して海外が益々潤ってる》
《オレたち、外国を豊かにするために働いてるんじゃねえんだよ》
2024年2月に東京で開かれたウクライナ復興会議でも、SNSには怒りの声が溢れた。
《すでにウクライナ支援に1兆円以上払っているのに、さらに6500億円? GDP世界4位に転落した国がやることか。能登地震復興支援が先だろう》
《この政権は先進国のマネごとしているのか。もう日本は途上国落ちしているというか後進国ですよ!》
《どこにそんなカネがある。「裏金」でも渡すの》
こんな状況を海外から見ている日本人たちが、口をそろえて言うのは、「日本は自滅しようとしているのか」「このまま行くところまで行かないと目が覚めないだろう」である。
日本の状況を見かぎって、海外に出た富裕層、エリート、有為な若者たちは、じつはかなりの数に上っている。そういう人たちに海外で会って話してみると、言うことはほとんど同じだ。そればかりか、最近は、「もう本当に危ないのではないか。猶予はあと2、3年かもしれない」と言う人間もいる。
山田 順
ジャーナリスト・作家
※本記事は『日本経済の壁』(エムディエヌコーポレーション)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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