日経平均株価が史上最高値目前
日経平均株価は、2024年2月9日の東京株式市場で続伸し、一時3万7,000円を上回りました。取引時間中に日経平均が3万7,000円をつけるのは、1990年2月20日以来34年ぶりのことです。株式市場は、年始から続くバブル後の最高値更新に沸いています。
また、景気動向について内閣府が2月7日に公表した昨年12月の景気動向指数(速報値、2020年=100)を見れば、指標となる一致指数が116.2と2ヵ月ぶりにプラスとなり、前月から1.6ポイント上昇となりました。
結果、一致指数から一定の手順で機械的に決める基調判断については、「改善を示している」との表現を据え置いています。
株式市場は活況も、景気はほぼ停滞、国民生活は悪化
一方で、我々国民の生活に目を向ければ、まったく様相は違います。厚生労働省が2月6日に発表した2023年の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、物価を考慮した1人あたり実質賃金は前年比2.5%減少しています。
これは2年連続の減少です。さらにマイナス幅は22年の1.0%減からさらに大きくなっています。
また、総務省が6日発表した2023年の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は、物価高を反映し物価変動の影響を除いた実質では前年比2.6%減少し月平均で29万3,997円となりました(消費支出は名目では1.1%増)。
これらの直近の数字を見れば、株式市場は活況、景気はほぼ停滞、国民生活は悪化といわざるを得ないと思います。ではどうしてこのようなことがなってしまったのでしょうか?
日本人の「株価は景気の先行指標」という“前提”はもはや勘違い
そもそもバブル以来、日本人が信じてきた「株価は景気の先行指標」という“前提”がもはや勘違いといえると筆者は思います。むしろ筆者は、この“前提”が、普通の日本人を貧しくしてきた要因のひとつだと思います。
なぜそのような“前提”が広がったのでしょうか? それはバブルの経験が株価と強烈に結びついていたからでしょう。
日経平均が史上最高値3万8,915.87円をつけたのは1989年12月29日のことでした。当時の日本人は、世界的ベストセラーになった「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本のタイトルどおり、日本の明るい将来という“前提”を持ち、日々のニュースで報じられる東京証券取引所の株価ボードを見る度にその思いを強くしていたのです。
そして個人消費も活発に行われ、実際の景気も拡大を続けました。このため日本人には非常に強く「株価は景気の先行指標」という“前提“が広がったのだと考えます。
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