「日本の住宅」6割以上は持ち家の実態
■持ち家率は6割超え
『平成30年住宅・土地統計調査結果』(総務省統計局)によると、持ち家は日本に約3,280万2千戸あり、住宅総数に占める割合の61.2%を占めています。
一方の借家は1,906万5千戸で、全体値の35.6%。内訳としては、「民営借家」が1,529万5千戸と最も多く、「公営の借家」192万2千、「給与住宅」110万戸、「都市再生機構(UR)・公社の借家」74万7千戸(同1.4%)と続きます。
これらは法人が使用している住宅も含めた「日本の建物」の総計です。では、日々の住まいの実態はどうでしょうか。まずは住宅の規模から見ていきましょう。
■根強い新築人気…中古住宅は2割を切る結果に
持ち家について、住宅の購入・新築・建て替え等別にみると、「新築(建て替えを除く)」が990万2千戸(持ち家総数に占める割合30.2%)と最も多く、「新築の住宅を購入」738万9千戸(同22.5%)、「建て替え」565万6千戸(同17.2%)と続きます。「中古住宅を購入」は極めて少なく、483万3千戸(同14.7%)。
「誰かが住んでいたところを買うのはちょっと…」という声はよく聞かれるものです。また、日本の住宅では「経年劣化」の考え方が通例です。家の価値は経年とともに下がり続けるものであり、売却や相続のことを踏まえて新築を購入する人が多いのではないでしょうか。
ちなみに米国では、住宅流通量の82%は中古住宅(2017年時点)。根強く新築が好まれているのは日本特有であることが窺えます。
■住宅ローン年間返済額は、全国平均で116.5万円
国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』によると住宅ローン年間返済額は、全国平均で174.0万円、三大都市圏平均で183.1万円です。
さらに詳しく見ていきましょう。住宅ローン年間返済額は、分譲戸建住宅取得世帯で平均126.6万円、分譲マンション取得世帯で平均148.1万円。また、年収に対する住宅ローンの返済負担率は、それぞれ平均18.8%、17.4%です。
中古住宅のローン年間返済額は、中古戸建住宅取得世帯で平均106.7万円、中古マンション取得世帯で平均101.3万円となっています。
新築や中古住宅では、返済金間や金利によって返済額に差がでるためあくまで平均値ですが、いずれにせよ、家計の支出に大きく影響する数字です。