(※写真はイメージです/PIXTA)

下流老人、老後破産…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。本記事では、厚労省「2023年 国民生活基礎調査の概況」より日本人の所得について見ていきます。

都内暮らし、日々の出費でカツカツ…

■世帯主の年齢別の所得状況

 

厚生労働省「2023年 国民生活基礎調査の概況」によると1世帯当たりの年間の平均所得金額は、「全世帯」が524万2,000円となっています。具体的には「高齢者世帯」が304万9,000円、「高齢者世帯以外の世帯」が651万1,000円、「児童のいる世帯」が812万6,000円です。

 

世帯主の年齢階級別に1世帯当たりの平均所得金額をみると、「50~59歳」が758万5,000円で最も高く、「40~49歳」が696万円、「30~39歳」が608万5,000円と続きます。最も低いのは「29歳以下」の339万5,000円。国税庁の発表によると20代前半の1人あたりの平均年収は249万円、20代後半で328万円です。都内暮らしの場合、家賃やら何やら日々の出費でカツカツ……となってもおかしくない金額です。


1人当たりの所得金額ではまた違った様相が見えてきます。

 

世帯人員1人当たりの平均所得金額をみると、最も高いのは「50~59歳」で309万4,000円、「60~69歳」が248万4,000円、「40~49歳」が229万4,000円と続きます。最も低いのは「70歳以上」の193万5,000円です。


70歳以上の所得の大部分は公的年金。公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は41.7%となっており、多くの高齢者世帯が、年金以外に収入がない状態で生活していることが見てとれます。

 

■高齢者世帯の年金受給状況

 

では、実際の年金受給状況はどうなっているのでしょうか。厚生労働省「令和4年 年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)」を見ていきましょう。

 

公的年金(共済組合の年金、恩給を含む)の年金額階級別構成割合をみると、男性では「200~300万円」が47.4%、「100~200万円」が31.8%となっています。平均額がもっとも高いのは85~89歳で、半数以上が「200万円以上」の年金を受給しています。女性では「100~200万円」が37.5%、「75~100万円」が26.7%となっています。平均額がもっとも高いのは90歳以上で、半数以上が「100万円以上」の年金を受給しています。


現役時代、正社員中心だった男性の平均年金額は192.6万円。女性の場合は120.7万円です。

 

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