子どもに「悪影響を与える」間取りとは?
子どもに悪影響を与える可能性のある間取りもあります。
不登校や引きこもり、問題行動や犯罪を起こしたご家庭の間取りには、ある特徴が見受けられます。さまざまな研究から主なものを挙げると、
● 家族みんなで食事をしたり集まる習慣がない。
● 家族間で「みんなが集まる場所がどこか」という共通認識がない。
● 子ども部屋と両親の寝室の位置が離れている。
● 子ども部屋のもち方(与え方)が適切でない。
たとえば、親の寝室もリビングも2階にあって、子ども部屋が1階にあるのはおすすめできません。
子どもの出入りに親が気づかない構造だからというだけではありません。子どもは置き去りにされたような感覚になるからです。
泥棒や強盗など、家への侵入が多いのは1階からですよね。1階に子ども部屋があり、2階より上にリビングや大人の部屋があると、潜在的に子どもは危険にさらされているような気持ちになります。
同様の理由で、家族が住む母屋とは別の「離れ」や、玄関さえも通らずに部屋に入ることができるといった部屋を子ども部屋にしないでください。
また、家を建てる際に、「子ども部屋のドアに透明のガラスを入れたい」というご希望をいただくことがあります。理由を聞くと、「子どもが何をしているかわかるから」ということなのです。それには丁重にお断りします。それでは、子どものプライバシーがなく、親からの不信感が子どもに伝わってしまうからです。
監視やコントロールはしないけれど、子どもたちのことを大切にしているということを、そっと間取りで表すのです。そういうことを子どもたちは敏感に感じます。
かといって、リビングを通らないと子ども部屋に行けない構造にすればいいかというと、単純にそういうわけでもありません。
なかにはリビングがすべての部屋の通路になっている家があります。寝室も、子ども部屋も、洗面所もすべてリビングを通過しないと入れない構造です。リビングの四面すべてが出入り口、人の通路です。
すると、とても落ち着かなくなりますよね。
カフェに入ったとき、みなさんはどこに座りたいですか。窓際の景色のいいところだったり、壁際や奥の隅の席ではないでしょうか。わざわざ出入り口付近に座りたい人はいないでしょう。
通路や人の移動が多いところでは、落ち着かないものです。家庭でも同じで、落ち着かないからリビングには出てこずに、個室に引きこもることになります。リビングで食事をしたとしても、食べ終わったらすぐに個室に戻ってしまう、そういう家庭は少なくないのです。
住まいが、子どもの性格形成に影響を与えるという研究もあります。
住まいの陽当たりや風通しが悪いと性格が悲観的なこと、リビングが狭く陽当たりが悪いと攻撃性が高いこと、住まいがモチベーションに影響するということなどが報告されています。
また、精神科医の石川元先生らは、登校拒否(不登校)の子どもを持つ親が、人と住まいとのよい関係を認識する能力がないことを指摘しています。そして、子どもが自由に学校のことを話せる住まいをつくることが、登校拒否の治療になるとも述べています。
住まいが人を育むのです。
私たちは、住まいが家族に与える影響をつかむ感覚や知識を身につけておく必要があるのではないでしょうか。
良くも悪くも、住まいが子どもの成長に多大な影響を与えるのです。
あなたは子どものころ、どんなところで過ごしていましたか。その住まいであなたは、どんなことを感じましたか。
それがあなたの今の性格や行動パターン、家族の会話、家族と過ごす時間や、その内容などに影響を与えているかもしれません。
高原 美由紀
一社)空間デザイン心理学協会
代表理事
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
注目のセミナー情報
【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』
【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!
【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】